今、Webでの地図配信のクライアントライブラリではOpenLayersが定番になっている。OpenStreetMapのサイトもそうだし、国内でも国土地理院の電子国土Webで採用され、商用でもパスコの自治体向け製品などで採用されている。私の会社でも、リリースされた翌2007年から本格的に使っている。
そのOpenLayersは、今大きな転機に来ている。現行のバージョンである2.0は 新しい時代の要請に応えられにくくなりつつあり、3.0の開発資金をコミュニティから募っていた。今までのコードを捨て、新たに書き直すという本格的なプロジェクトだ。その目標資金は25万ドル、およそ2100万円。今回の資金集めでは、目標額の25万ドルを超える、30万ドル強の資金が119の企業、団体、個人から提供されたという。この規模は、少なくともFOSS4Gツールの開発のための資金集めでは過去最大である。
資金集めの方法は、クラウドファンディングによるものが一つ、これはこちらのサイトで行われた。
もう一つは、OpenLayersのユーザー企業に対する資金提供の呼びかけで、こちらは5千ドルから7万5千ドルまでの4段階のランクを設定して行われた。私のところには、OpenGeoの社長であるChris Holmesから直接メールが届いた。残念ながら私の会社の規模では、ポンと大きなお金を提供することはできない。Chrisには5千ドルの提供を確約した。国内で、他にどの企業が応じたのだろうか。残念ながらChrisからは、私の会社以外からの資金提供の申し出があったとは聞いていない。日本のユーザー企業は、もっと積極的に応じて欲しい。
FOSS4Gツールは、誰でも自由に、そして無償で利用できる。その開発に携わった人たちは、多くの場合はどこかの企業に所属していて、業務時間の一部を使って開発していることが多い。エンドユーザーが、FOSS4Gツールの機能拡張の費用を負担してくれることも時にはあるが、それは恵まれたケースである。大半のエンドユーザーは、FOSS4Gツールが無料で完成状態にあるという前提で、それを使ったアプリケーション開発の費用だけを負担する。官公庁は一般競争入札が原則なので、皮肉なことにコミュニティへのコントリビューションをしていない(=コストが安い)企業がプロジェクトを獲っていく。つまり、FOSS4Gツールの開発者達にはペイバックされない。大抵は、時間と費用をやりくりしてツールの開発と普及を行っている。これが実態だ。
オープンソースには、最大の貢献者が最大の受益者になる仕組みが必要なのだが、こと日本においては、なかなかそうは行かない。FOSS4Gを応援する立場にある私の会社が、FOSS4Gコミュニティへのコントリビューションをすればするほど、経営は厳しくなる構造だ。私はFOSS4Gツールにただ乗りするようなことはしたくない。少しでも良いから、どんな形でも良いから、私の会社が事業を継続できるようにしてくれているFOSS4Gツールにペイバックしたい。そう思いながら今日までやって来ている。
幸い、OSGeo財団日本支部は、年々団体会員が増加している。私の会社だけでなく、いくつもの企業がコミュニティの発展のために尽力をして下さっている。残念ながら、国内の大手ユーザー企業の参加がまだ無いのだが、これも彼らにオープンソースツールのエコシステムに対する認識がなされるまでに、やや時間がかかっているだけなのだろう。
それにしても、目標を5万ドル上回る30万ドル以上とは恐れ入った。日本からの支援が、このせめて1割でも占めるような日が来る頃、それが日本で本家版のFOSS4Gカンファレンスを開催を考えられるタイミングなんだと思う。それはいつになるだろうか? 遠くないことを願う。
そのOpenLayersは、今大きな転機に来ている。現行のバージョンである2.0は 新しい時代の要請に応えられにくくなりつつあり、3.0の開発資金をコミュニティから募っていた。今までのコードを捨て、新たに書き直すという本格的なプロジェクトだ。その目標資金は25万ドル、およそ2100万円。今回の資金集めでは、目標額の25万ドルを超える、30万ドル強の資金が119の企業、団体、個人から提供されたという。この規模は、少なくともFOSS4Gツールの開発のための資金集めでは過去最大である。
資金集めの方法は、クラウドファンディングによるものが一つ、これはこちらのサイトで行われた。
もう一つは、OpenLayersのユーザー企業に対する資金提供の呼びかけで、こちらは5千ドルから7万5千ドルまでの4段階のランクを設定して行われた。私のところには、OpenGeoの社長であるChris Holmesから直接メールが届いた。残念ながら私の会社の規模では、ポンと大きなお金を提供することはできない。Chrisには5千ドルの提供を確約した。国内で、他にどの企業が応じたのだろうか。残念ながらChrisからは、私の会社以外からの資金提供の申し出があったとは聞いていない。日本のユーザー企業は、もっと積極的に応じて欲しい。
FOSS4Gツールは、誰でも自由に、そして無償で利用できる。その開発に携わった人たちは、多くの場合はどこかの企業に所属していて、業務時間の一部を使って開発していることが多い。エンドユーザーが、FOSS4Gツールの機能拡張の費用を負担してくれることも時にはあるが、それは恵まれたケースである。大半のエンドユーザーは、FOSS4Gツールが無料で完成状態にあるという前提で、それを使ったアプリケーション開発の費用だけを負担する。官公庁は一般競争入札が原則なので、皮肉なことにコミュニティへのコントリビューションをしていない(=コストが安い)企業がプロジェクトを獲っていく。つまり、FOSS4Gツールの開発者達にはペイバックされない。大抵は、時間と費用をやりくりしてツールの開発と普及を行っている。これが実態だ。
オープンソースには、最大の貢献者が最大の受益者になる仕組みが必要なのだが、こと日本においては、なかなかそうは行かない。FOSS4Gを応援する立場にある私の会社が、FOSS4Gコミュニティへのコントリビューションをすればするほど、経営は厳しくなる構造だ。私はFOSS4Gツールにただ乗りするようなことはしたくない。少しでも良いから、どんな形でも良いから、私の会社が事業を継続できるようにしてくれているFOSS4Gツールにペイバックしたい。そう思いながら今日までやって来ている。
幸い、OSGeo財団日本支部は、年々団体会員が増加している。私の会社だけでなく、いくつもの企業がコミュニティの発展のために尽力をして下さっている。残念ながら、国内の大手ユーザー企業の参加がまだ無いのだが、これも彼らにオープンソースツールのエコシステムに対する認識がなされるまでに、やや時間がかかっているだけなのだろう。
それにしても、目標を5万ドル上回る30万ドル以上とは恐れ入った。日本からの支援が、このせめて1割でも占めるような日が来る頃、それが日本で本家版のFOSS4Gカンファレンスを開催を考えられるタイミングなんだと思う。それはいつになるだろうか? 遠くないことを願う。
これがもっとも直接的(かつ合法的)な開発サイドへのペイバックでしょうかね。発注者側も、合法的にという縛りに結構苦労しているのでした(アイデア出しが足りないかもしれませんが)