昨日の新聞に「40㎡ 月額42,300円。2ヶ月間家賃無料」のチラシ広告が入っていた。私の最寄り駅からバス便(実質15分くらい)の閑静な住宅地にある、県営住宅である。1973年築とあるので、35年経っているが、もともとしっかりとした造りで、一応リフォームされているのでとてもお得感が高い。また、周辺は横浜市内でも最も自然が残っているエリアとして知られており、バードウォッチング愛好家にはうってつけである。
ところで、なぜこの話を持ち出したかというと、広告に「光ファイバー設置済み」と書かれていたからである。さすがに、ブロードバンドインターネットが、水道や電気と同じくらいの必須のインフラになっているとまでは(大家側が)考えていないとは思うが、少なくとも新に入居者を獲得するための有力なインセンティブとしては認識しているはずだ。
私は早い時期からインターネットが無いと生きていけないと思ってきたが、そういう一部のヘビーユーザー層に限らず、今やごく普通の生活を送っている人たちも、ブロードバンドインターネットを使って、ニュース、音楽、動画、ショッピングそして地図などを楽しんでいるようになっている。
地図に関しては、以前は地図帳が人々の仕事や日常生活に多用されており、それがクルマでのナビゲーション用途に関してはカーナビへと移行していったが、クルマ以外での地図はしばらくの間決定打が無かった。
私はいつでもどこでも地図にアクセスしたいという要求が普通の人よりもかなり強い方なので、モバイルPCに地図ソフトのデータ一式をインストールして使っていた。当時のハードディスクの容量のうち、3~4割を占めてしまうほど地図データは”容量がぶ飲み”だったが、私にはそれでも地図が欲しかった。
「パソコンで使う地図ソフトが大きく普及する」と、私は10年ほど前にその事業を担当していたこともあって期待していたが、それは実現しなかった。やはり「数千円~1万円のソフトを買ってPCにインストールする」ということは、書店で2000円台の地図帳を買うのとは違って、かなり敷居が高く、大多数はそこには向かわなかったのだ。今思うと、CDやDVDによる電子地図ソフトは、紙メディアが、インターネットメディアに移行するまでの過渡期に出現した、ヘビーユーザー向けのリリーフとしての存在であって、それはマスではなかったわけだ。
その間人々は、インターネットでGoogleMapsのようなストレス無くすぐに使える地図サービス(それは、単なる地図帳ではなくて、地域のデータビューアのような今までになかったもの)を待ち望んでいたのだった。考えてみれば私もその一人で、いつの間にか、地図ソフトを使うことが無くなり、ブラウザのブックマークにGoogleMapsなどの地図サービスサイトをいくつか登録している。ノートPCも同様で、特にイーモバイルを使うようになってからは、自宅にいるのと同じ使い勝手に満足している。さらに携帯電話が本当の意味でのデータ定額になって、液晶がSVGAくらいになれば、それこそ「いつでもどこでも使える地図」として広く普及するだろう。そうしたら、冒頭の家賃42,300円に限らず、どんなところに住んでいても、あるいは住まいが定まっていなくても、地図サービスを含むインターネットで提供されるサービスは、誰でも利用できるようになっていくのだろう。そして急速に、インターネットが紙媒体を超え、電気、水道と同じレベルの生活必需のインフラとしての存在になっていくのだろう。
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