横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

位置情報、地理情報に関するサービス、その他日常生活から思ったことを気ままに記す不定期のんびり日記

Appleのマップアプリの乗換案内機能を体験する

2016年10月27日 14時38分53秒 | 地理情報関連
10月25日未明に、待ちに待ったAppleのマップアプリのアップデートが行われた。目玉は乗換案内である。この2日間、横浜と都内を移動しながら、新しいマップアプリを使ってみた。そのファーストインプレッションをまとめたい。

ひとことで言うと、2012年9月のAppleのマップアプリ登場以来、史上最大のアップデートである。そして、Appleの「本気度」がひしひしと伝わってくる出来映えだ。

乗換案内機能は、「現在地から目的地までへの移動を、公共交通機関を使って効率的に実現する」ための一連の仕組みである。そのためには、鉄道駅、バス停、路線ネットワーク、出入り口、タイムテーブル、歩行者ルート、運行情報、料金情報等々を用いて、様々な例外的なルールも加味してアプリケーションとして作り上げる必要がある。従って、単に優秀なエンジニアがいるだけでも実現せず、ノウハウを持った人による現地でのテストとフィックスが不可欠である。また、特に首都圏のような世界でも最高レベルの複雑さを持った公共交通ネットワークを、利用者にわかりやすく指南するためのユーザーインターフェイスの考案もハードルが高い。

そういう「大変さ」を見聞きしている1人として、今回の乗換案内機能は、とても良くできていると率直に評価したい。
もちろん「初物」故の問題もあって、既に各所で指摘もされているが、それらは順次解消されていくはずだ。

さて、実際の動きを順に説明していこう。

まず、マップ自体のアップデートについてだが、地図の表示モードの中で、鉄道網をハイライトする「交通機関」がようやく機能するようになり、鉄道路線は、それぞれのシンボルカラーで表示されている。

 「交通機関」表示モード シンボルカラーを用いてハイライトされている

鉄道(地下鉄や一部バスを含む)駅周辺の出入り口や歩行者通路が詳細に表示されるようになり、バス停も路線番号付きで表示される。バス停に関しては、駅ターミナルだけでなく、路線の各停留所も地図表示されており、利用者は近くのバス停をタップすることで、経路案内に進むことができる。

 駅出入り口やバス停が表示されている(有楽町駅)

惜しむらくは、これだけの情報が地図に表示されたのだから、他社のマップアプリでは全て採用されている、大縮尺による詳細な図面の提供が待たれる。それが無いと、現地のリアルな街路形状とフィットしなくなる。

さて、横浜市の自宅から駒場東大前までの移動を行った場合の動作を説明しよう。

「自宅から駒場東大前駅までの経路」とsiriに話しかけると、マップアプリが立ち上がり、経路全体を地図と移動ステップをまとめた画面が出てくる。行き方には複数ルートがあり、それぞれをタップすると、それ毎の経路が地図に表示される。そして、移動ステップも路線のシンボルカラーや鉄道会社のロゴ付きで表示される。不慣れな人にも、あるいは日本語に疎い人でもそれなりに使えそうだ。

 「自宅から駒場東大前駅までの経路」とsiriに話しかけるとこの画面になる

 移動ステップは路線のシンボルカラーや鉄道会社のロゴ付きで表示される

 根岸線で大船に向かう

駅に到着する直前になると、地図が駅中心の拡大図面に切り替わって、次に乗る電車が示される。

 大船駅で乗り換える

 湘南新宿ラインで渋谷へ向かう

 渋谷で京王に乗り換える

優れていると思ったのは、乗り継ぐ先の京王井の頭線の出発時刻が2本後(合計3候補)示されていることだ。乗換に時間がかかったり、電車が遅延したりした場合にどうなるかがわかる。

 京王井の頭線 2本後まで出発時刻が表示される

 駒場東大前駅に向かう

 駅の出口表示もある

 目的地までの徒歩ルートも表示してくれる(これは3次元表示にしてみた場合) 注:画像の場所は田町駅

ちなみに、移動中はApple Watchに案内が出てくるので、iPhoneは他のアプリを立ち上げてても困らない。

 Apple Watchでも経路案内が表示される

このように、今回の「乗換案内」対応は、従来型の乗換アプリと違い、移動全体を指南してくれるものだ。ユーザーインターフェイスは、マップアプリの自動車経路ナビと基本は一緒だが、細かいところに配慮がなされていて、首都圏の鉄道事情にある程度通じている人達が開発に関わっていることがうかがわれる。

最後に地図好きな私は、実際の地理的な距離や方角と合わせて自分の行動経路を理解できることの喜びを、今回のマップアプリで体験している。久々に使っていて楽しいと思う。

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