新幹線から見える母校

　大阪には新幹線で向かった。途中、名古屋付近を通過した。私の出身地だ。懐かしい道や建物が通り過ぎる。

　私は名古屋の新興住宅地帯で生まれ育ったのだが、高校だけは下町（というか工業地帯）にある所に通った。新幹線のルートからは、その高校が見える。堀川という運河のそばだ。当時は学校群制度があって、ランダムに振り分けられるのだが、結果的に1時間20分くらい通学時間がかかるそこになった。同じ名古屋でも、私の生家付近とその高校付近とはまさに別世界だった。人も町並みも空気も、さらに言葉が違った（転勤族の多いエリアで育った私は名古屋弁はヒアリングは大丈夫だが、ネイティブスピーカーにはなれなかった）。高校の級友は下町出身が多いので、生粋の名古屋弁に溢れていた。かわいい女の子が名古屋弁丸出し・・・これは結構衝撃的だった。進学校ではなかったので、雰囲気は実にのんびりしていて、級友は皆いいやつばかりだった。中学校と違って、先生も私を一人の人間として対応してくれた。ただ、あまりにのんびりした雰囲気の中で、周りがやらないことをやるという、へそ曲がりの私はかえって勉強に熱を入れたっけ（この性格は今も変わらないような・・・）。

　高校時代の同級生で、同じ大学に進学した親友がいた。彼こそが、私を大学の専攻と縁のない「地図の道」に足を踏み入れるきっかけを作ってくれた。ある日、「お前って地図好きだったよな。今、地図のアルプスでバイトしているんだけどお前も来ない？」と。そこで出会った同じ大学出身の大先輩が、私の地図心と商売心をいたく刺激して下さった。それが縁で、一度社会に出たものの、結局私はその地図会社に舞い戻ってきてしまった。その大先輩と、今日のFOSS4G大阪でお会いすることができた。

　わずかな時間だけ見えた、高校付近の道や建物。約30年前とあまり変わってはいない。あの3年間は、実にいろいろなきっかけを私にくれた。今となっては宝物のような日々だった。

会場付近の超高層ビル WTC

大阪には年に1～2回訪問している。いずれもOSGeo関係の会合のためで、今回のFOSS4G Osakaの会場であるATCはちょうど1年ぶりである。そのすぐそばにひときわそびえ立つ超高層ビルがある。

　WTC（建物の最高層部は逆三角形になっていて、これだけでもメンテナンスは大変そう）

　これが、府庁の移転問題で最近メディアを賑わすビルだ。

　正直、何でこんな不便な場所に、こんな壮麗な建物があるのだろうか。いくらバブルの時代に計画されたからといって、その唐突さが当時問題にならず、本当に作ってしまうなんて。都心から遠く離れ、地下鉄からニュートラムへの乗り換えも不便で輸送力は貧弱、都市計画が綿密にされずに、とにかく作ってしまったとしか思えない。このアクセスでは府庁を移転したくない、と議員が思うのもわかる。しかし、一体このビルどうするべきだろうか、どこかの経営破綻状態の航空会社と二重写しになるが、一方は国の「フラッグ」を背負っていると国交相が言っているが、こちらはそんな大義名分は無さそう。解体して損失処理をした方が良いのではないかとも思わせるこのビル、来年ここに来る時はどんな展開があるのだろうか？

FOSS4G 2009 大阪開催中！

　今日から明日まで、大阪南港ATCにてFOSS4G2009 Osakaが開催される。
　ということで、ただいま開催中。
　FOSS4G大阪　写真はGerard FenoyによるZooプロジェクトの説明