今週末、
バッキーは裏庭にある花壇のレンガを整える作業に励んでいる。
作業中、レンガを打つ響きが部屋の中にも聞こえて来た。
なんでもないそんな時間に
満たされる自分が感じられて
記憶にしっかり残すため
何度もその想いを心のなかで繰り返した。
私も何か家のことをしよう。 と
私は表のドライブウェイに落ちているクルミ集めをはじめた。
バッキーが話していたように
陽にあて乾燥させ実をとってみようかと
今回 初挑戦することにしたのだ。
”今晩はクーポンを使ってDQのバーガーにするか?” と
バッキーに訊かれ 大喜びしてたら
亡くなった義理両親を思い出した。
年齢を重ねる毎に何をするにつけても、義父を思い出させるバッキーだけど
DQの夕飯に義母を誘う義父とそっくりだったんでね。
そうして義母の事も思った。
咽頭がんの手術後
義父は56歳でリタイヤして障害者年金をもらい暮らすことにした。
それから約15年間、義父母は毎日一緒に行動をし
その間、義父はがんの手術を数回受け 義母が介護もしていた。
確か義母は青年期にキャンディー ストライパー をしていたとかで
バッキーの従兄弟が怪我をした時も
義母が彼らの怪我の処置をしていた事は多かったらしい。
*キャンディーストライパー と言うのは
ボランティアで病院の手伝いをする人たち
そんな義母なので
放射線治療を受けた義父のただれた首の手入れも上手だった。
義父が亡くなる数日前?に
義母はホスピスサービスを利用することにした。
夫の死が近づいている事を感じていても
その日は突然来る。
夫を亡くし一人暮らしになってから
自分で出来ないことが増え
人に頼りたくなかった義母はシニアのアパートに引っ越す事にした。
そこで思い出のない家具に囲まれて義母の一人生活が始まった。
その時私は義母の寂しさを考えることもしなかった。
それが悔やまれる。
我慢したり 諦めたりした事は多かっただろうけど
天使に近い人になって義母はあの世に舞った。