「ブレアの「第三の道」  Welfare to Work」

2007年05月10日 | 政治
僕は多方面に渡って日本とイギリスは似ていると感じる事があります。
(だから、僕はイギリスに渡りました)

政治に目を向けてみても、「イギリスの真似をしているのか?」と思えるように、
日本はイギリスの後を追っている。

80年代のサッチャー政権は「ゆりかごから墓場まで」という福祉大国を改め、
「小さな政府」を推し進め、イギリスの経済を立て直した。
その恩恵を受け、ロンドンのシティーは世界有数の金融市場に著しく成長した。
今のイギリス経済を支えているのはシティーだと言っても過言ではないだろう。
しかし、同時に福祉や医療サービスは低下し、格差は拡大していき、教育も低下した。

なんとなく、今の日本に似ていると思いませんか?
サッチャー改革は、小泉改革とダブりますし、
改革が生んだ「負の遺産」も似ている。

そこに登場したのが、「第三の道」を掲げた労働党のブレア首相だ。
1997年の総選挙で政権与党だった保守党を破り、
労働党を勝利に導き、
43歳という若さで首相に就任した。
そして、ブレア首相はサッチャー改革の「負の遺産」を整理する筋道を作ったのだ。

「第三の道」とは、右でも左でもない中道改革路線で、
民営化や規制緩和などは推進しつつも、
弱者対策や医療・教育の底上げも重視している。

「小さな政府」と「大きな政府」の中間的な位置づけが、「第三の道」なのだ。

僕は今の日本の政治は「第三の道」を目指すべきだと思う。
そして、その「第三の道」政党に成りえるのは、民主党だけだと思う。

僕は「第三の道」を実践した
ブレア首相を政治家として尊敬しています。

世論調査によりますと、
ブレア首相を「良い首相だった」と答えたイギリス国民は61%にも達したそうです。
多くの国民に「良い首相」だと思われたからこそ、在任10年をむかえる事が可能だったのでしょう。

そんなブレア首相ですが、
イラク戦争が人気衰退の転機となり、今年退陣する(退陣日時は本日発表される)。

長年の懸案事項であった北アイルランドの自治政府復活という偉業を先日達し、
ブレア政権は幕を閉じようとしている。

昨年から退陣時期がささやかれ、
普通なら「死に体」となるはずなのに
最後まで気を抜かず、偉業を成し遂げたブレア首相に政治家としての美学を感じます。

今の日本には、ブレア首相のような政治家が求められているのかもしれません。