学習障害と英語指導を考える

特別支援の視点から。
どの子もハッピーになるような指導を。

ESL、EFL・・・へのアプローチ 学習ストラテジーなど・・ひとりごと

2010年09月08日 | 英語教室でできること
教授法や指導法で教員側が陥りやすい(というか私が陥っていた)穴は、

投げ手がどういう教え方が効果的か

というハウツーに集中してしまい、

受け手側、つまり生徒の状態を軽視するということではないかと思っています。

もちろん全く無視というのではなくて、
内面、つまり個々の学び方の個性にまで踏み込んだものではなかったのではないか、という反省です。

いかに上手に教えるか、何を使って教えるかも大切ですが、

それに加えて、その子一人ひとりの学習スタイル、
認知傾向を考慮した教え方を重視するほうが

より効果があるのではないかと思います。


「言語というのは、人間の認知によって動機づけられている」
という観点を無視しては、いけないのではないか?

ということが、学習ストラテジーの考え方の基本です。


従来、第二言語研究者間では、

「なぜ学習者によって、習得のスピードや到達点に大きな違いが生じるのか」

という疑問がありました。

1970年代からの認知心理学を中心とした個人差研究では、
認知能力の発達が言語知識の発達に大きな影響を与えると主張しています。(Bates, 1979ほか)

言語習得には、普遍文法を生得的に人間が備えているとしても、
それぞれの人間の認知能力の発達が、深くかかわっているのではないかという理論です。

個人差要因としては、

学習スタイル、
動機づけ、
適正、
知能、
性格、
性差
などの要因が挙げられてきました。

そのなかでも、学習ストラテジーは第二言語習得の結果に大きな影響を与えるということが検証されています(Ellis, 2004)。


私が発達障害の子供たちへの指導法について考えるとき、
彼らの認知特性に偏りがあるケースが多いため、
どうしても個人差を重視せざるを得ませんでした。

そして、この認知の個人差を知れば知るほど、

これはすべての子供たち、学習者に当てはまるアプローチだろうな、
と感じるようになりました。

多くの先生方は、わたしも含め、もしかしたら

「●●アプローチ」だとか「●●指導法」「●●メソッド」という名前が好きなのではないでしょうか。

そこに、子供たちに手っ取り早く効果的に教えられるヒントがあるのではないかと感じるからではないでしょうか。

ですが、個人差を重視する現代の流れでは、

一つの教授法、指導法にとらわれず、

自分のやり方に、固執しない、

目の前の子どもの個性を生かした方法を

先生がたくさん引き出しに持っていること、

そして、その個性のバラエティに関する知識を持っていること、


そうした観点が大切かと思います。

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