井笠鉄道 笠岡から鬮場ゆき 片道乗車券

1970(昭和45)年11月に岡山県にありました井笠鉄道の笠岡駅で発行された、鬮場(くじば)ゆきの片道乗車券です。


   

青色RTCてつどうじょうしゃけん地紋のB型一般式大人・小児用券で、地元岡山のシンコー印刷で調製されたものと思われます。
着駅の鬮場駅は笠岡駅から1駅目の駅で、ここには車庫がありました。この車庫は路線廃止後も車両ごと大切に保管されていましたが、1980(昭和55)年の夏に放火されて全焼し、現在の跡地には病院が建っています。
しかし、鬮場の「鬮」という漢字は他で見たことのないような文字です。

井笠鉄道は岡山県の笠岡および井原エリアを拠点として営業していた鉄道線で、軌間が762㎜のいわゆる「軽便鉄道」でした。笠岡から井原までの本線と途中の北川から矢掛までの矢掛線、終点井原から神辺までの神辺線がありました。
しかし、他の地方私鉄同様に乗客の減少が一番の原因でしたが、鉄道建設公社が総社から神辺に至る国鉄吉備線の延長線である井原線を建設することが決定し、同社は鉄道用地を鉄道建設公団に譲る形で1967(昭和42)年4月に井原線および神辺線を廃止しています。
このルートは現在、一部が井原鉄道の線路になっています。

その後、1971(昭和46)年4月に本線も廃止され、以後の井笠鉄道はバス事業者になっていました。
バス事業者となった同社は、2012(平成24)年10月に事業を停止して会社自体を破産手続に移行して解散し、事業停止となった路線は暫定措置として中国バスが支援に乗り出して井笠鉄道の事業を算定的に継承し、中国バス井笠バス福山カンパニーが2013(平成25)年9月まで暫定運行を行い、翌年には中国バスが100%出資する、両備グループの井笠バスカンパニーとして現存しています。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

京浜急行電鉄 学校裏駅発行 片道連絡乗車券

1955(昭和30)年10月に、京浜急行電鉄(京急電鉄)学校裏(現・平和島)駅で発行された片道連絡乗車券です。


   

桃色PJRてつどう地紋のB型地図式大人専用券となっています。

学校裏駅は現在の平和島駅で、開業当時は沢田駅として開業しています。現在では町名には沢田という地名はありませんが、近くの交差点などに「沢田」の地名は残っています。
学校裏という駅名がかなり特徴的で、小学校(当時は尋常小学校)の裏手にあったことから名付けられた駅名のようで、1961(昭和36)年に若干位置を移動させたうえで平和島駅に改称されたようです。


   

同時期の国鉄品川駅で発行された10円区間ゆき片道乗車券です。こちらの地図を比較してみますと、基本的なラインはもちろん同じですが、カーブの描き方などが異なっており、印象は変わります。


   

裏面です。裏面には券番と発行駅名の他、品川経由であること、表面太線区間内の1駅ゆきであることと、通用発売当日限り、下車前途無効であること等が記載されています。

京急線内は学校裏駅から品川駅までで、品川駅からは国鉄(現・JR東日本)の10円区間ゆきの乗車券ということになりますので、この券の領収額の20円のうち、京急線が10円と国鉄線が10円で、当時の運賃比率は1対1であるということになります。
これが現在の価値になりますと、例えば新大久保まで行くということになりますと、平和島~品川間の京急線が160円で、品川~新大久保までのJR線が200円の360円で、京急対JRの運賃比率が4対5となっており、JRのほうが値上げ率が高くなっているようです。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

JR東日本 東京都区内から札幌市内ゆき 片道乗車券 ~その2

年が明けて、また新型コロナによって長距離旅行が制限され得るような事態になってきています。
昨年は2回ほど公務の出張に絡めての札幌ゆき鉄道旅行を計画しましたが、新型コロナの緊急事態宣言によって出張そのものがすべてキャンセルとなってしまいましたため、旅行が中止となってしまいました。
拙ブログ2021年12月29日エントリーの「JR東日本 東京都区内から札幌市内ゆき 片道乗車券」で2回目にキャンセルとなった乗車券をご紹介いたしましたが、さすらいの旅人様とLUPIN様から経由がおかしいのではないかというコメントを頂きました。

ご紹介した乗車券は実際に管理人が指定券券売機で購入して実使用するつもりでおりましたが、実際には緊急事態宣言が再度発令され、札幌出張がキャンセルになってしまい、実使用は叶わないものとなってしまっていました。


   

実際に払い戻しいたしましたが、JR東日本では新型コロナの緊急事態宣言を理由とした旅行中止に伴う払い戻しの場合、払い戻し手数料は無料となる対応が採られており、全額払い戻され、「商品名:無手数料」という変な伝票が発行されました。


   

こちらが払い戻した原券になります。

この券を購入した時、指定券券売機には案内のための駅員さんが立っていて、管理人が券売機を操作していたところ、途中から発券の案内の駅員さんが入って来られ、どのような乗車券を求めているのかを聞き取り、案内されるがままに発券しました。
その時、管理人は「東京都区内から札幌市内までの運賃はやっぱり高いなあ」くらいの気持ちで購入しましたが、その時にまさか駅員さんの案内の下で発券された乗車券の経路が違っているなどと思ってもいませんでした。

管理人の求めていた乗車券は東京都区内から札幌市内までのもので、本州内は東北本線・IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道を経由して新青森に行くものでしたが、実際の券は東北本線・IGRいわて銀河鉄道まではよかったものの、途中の好摩から花輪線経由で新青森へ行くものとなっていました。

本来であれば、経由欄が東北・いわて銀河・青い森鉄道・奥羽・新青森・新幹線・新函館・函館線という感じになって、JR線営業キロ956.4km(うち、JR北海道営業キロ:417.2km)、第三セクター営業キロ203.9km、普通片道運賃18,570円となるべきところ、JR線営業キロ1,137.1km(運賃計算キロ1,147.8km。うちJR北海道営業キロ417.2km)、第三セクター営業キロ21.3km、普通片道運賃15,180円となっていました。
購入した時は飛行機運賃が頭にあったので「高いなぁ」と思っていましたが、実際にはもっと高かったのです。

駅員さんの案内があったので特に内容を確認しませんでしたし、管理人も札幌までの鉄道運賃を明確に把握していませんでしたし、全く疑う余地はありませんでした。購入してから券をよく見れば経由欄が目時ではなく「好摩」と記載されているので判断ができるものでしたが、そのまま乗車券袋へ入れてカバンにしまってしまったため、気づくことはありませんでした。

もし、新型コロナが落ち着いていて旅行が実施された場合、おそらく気づかずにIGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道と乗車して盛岡以遠で気づいたか、青森駅の改札で気づくことになったかもしれませんし、気づかないまま札幌まで行ってしまったかもしれません。
今となっては、途中の駅でどのような区間変更の乗車券が発行されたのか、興味深いところではあります。

本エントリーと元のエントリーを含め、案内に当たられた駅員さんが居ますので、購入および払い戻しの駅名については伏せさせていただきました。ちなみに、購入駅と払い戻し駅は違う駅です。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )

上田電鉄 別所温泉から下之郷ゆき 片道乗車券

2022(令和4)年1月末に硬券乗車券の発売を終了した上田電鉄別所線の別所温泉駅で、2006(平成18)年5月に発行された下之郷ゆきの片道乗車券です。


   

青色BJRてつどうじどうしゃ地紋のB型一般式大人・小児用券で、日本交通印刷で調製されたものです。

上田電鉄は、2005(平成17)年に上田交通が鉄道部門を上田電鉄として分社・子会社化した事業者で、現在は不動産事業などを営んでいる上田交通のグループ会社になっています。

御紹介の券は、同社が上田交通から分社化される以前の上田交通時代に設備されたもので、社名の「(上田交通)」部分を二本線で抹消のうえ、「上田電鉄」の表記がされています。この表記は上段に「上田電鉄」下段に二本線というゴム印を作成のうえ捺印されたものです。


我々世代ですと、「昭和」が「平成」になった時、昭和時代の乗車券類や伝票など、「昭和」の部分を二本線で抹消して平成に訂正するゴム印の記憶がある方も多いかと思います。管理人自身も会社にそのようなゴム印が何本かあり、手の空いた時間に古い伝票の訂正をした経験があります。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
   次ページ »