1962(昭和37)年9月に、帝都高速度交通営団(営団地下鉄。現、東京メトロ)銀座線の「◯地」渋谷駅で発行された、同駅から20円区間ゆきの片道乗車券です。
若草色JPRてつどう地紋のB型地図式大人専用券で、山口証券印刷系列の帝都交通印刷で調製されたものと思われます。
当時の営団地下鉄の乗車券は地図式がメインで、高額券になると相互式が使用されたりしていました。これは少しずつ路線が開業していく発展期であった同社では、複数の着駅を1枚の乗車券にまとめたいという考え方に拠るものと思われます。
裏面です。券番と発行駅名の他、「渋谷から20円」の表記と、「表面太線区間内の1駅ゆき」の文言、「通用発売当日限り 下車前途無効」の文言があります。
発行駅の前にあります「◯地」は「地下鉄駅」であることを示すもので、国鉄の乗車券や運賃表などには「地下鉄渋谷」駅と記載されているものも見受けられました。これは、同駅には営団地下鉄の他に国鉄線や東急東横線、京王帝都井の頭線などの路線が乗り入れているための区分のために付けられているものです。
最遠である着駅の赤坂見附駅の部分を拡大してみました。
渋谷駅から伸びた太線が着駅の赤坂見附駅まで繋がれていますが、その先の区間外の駅である虎ノ門駅方面に伸びる線は細い線で表されています。また、同駅から「サザエさんの波平の双子の兄、海平さんの頭の毛」のような逆ハの字に2本「生えている」線は、丸ノ内線を表しているものと思われます。
なんとなく、丸ノ内線は決して銀座線とクロスしているのではなく、平行して走行している感じが出ているかと思います。
ちなみに、こちらが海平さんです。