松本電気鉄道 新島々駅発行 東京都区内ゆき学割専用乗車券

昭和43年11月に松本電鉄新島々駅で発行された、東京都区内ゆきの学割専用乗車券です。


   


青色JPRしてつ地紋のA型一般式券です。


前回エントリーで同駅の常備JR連絡乗車券は東京都区内ゆき1口座となってしまったことを御紹介いたしましたが、かつては手荷物の取扱い等の問題があったからなのでしょうか、私鉄各社から国鉄への連絡乗車券は広範囲に亘って購入できることが多かったようです。そして、需要がある駅・区間によっては、同社のように「社学」の取扱いがないところでも国鉄区間について学割乗車券も発売できるところも数多くあり、学割の専用券を設備している例もありました。


同駅がいつごろまで学割専用券を設備していたかは不明ですが、この翌年5月にはモノクラス制に乗車券制度がガラッと変わっていますので、その辺で設備廃止になったのではないかと思っています。また、同社がいつまで学割の取扱いをしていたのか、それとも今でも取扱いをしているのか、その辺も不明です。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

アルピコ交通 新島々駅発行東京都区内ゆき乗車券

消費税率改定後の本年5月に新島々駅で発行された、東京都区内ゆきの硬券片道連絡乗車券です。


   


青色BJRてつどうじどうしゃ地紋のA型一般式券で、日本交通印刷にて調製されたものです。


消費税率改定のタイミングでJR東日本のSuica使用エリアが拡大され、それに伴って中央本線は東京から塩尻までが、篠ノ井線も塩尻から松本までがエリア内となりましたため、営業キロが200kmを超える区間であれ、当日限り有効で途中下車不可の新券が設備されています。
そのため、高額券であるにも拘わらず、「発売当日限り有効 下車前途無効」の文言の入ったものとなっています。


   


裏面です。

社名の「(アルピコ交通)」の表記が裏面になり、なぜか運賃箱対応の如く「東京都区内ゆき」と着駅が記載されています。なぜ運賃箱対応となっているのか、いまのところ意味が不明です。

そのかわり、東京都区内ゆき乗車券には必ず記載されていた、「東京都区内各駅(駅名標に“ロ区”と表示されている駅)下車前途無効」のご案内文がなくなっています。
途中下車制度がないのですからその文言は必要なくなったわけで、今までの観念で見ていると、少々物足りなさを感じます。


   


こちらは途中下車可能であった時代の平成17年7月に発行された、同区間の乗車券です。「発売日共3日間有効」と記載され、社名が表面に記載されています。


   


裏面には例のご案内文が記載され、不思議な「運賃箱対策」はありません。


同駅では、今回の消費税改定を機に東京都区内ゆき以外のJR連絡乗車券の常備券は設備廃止してしまったようで、常備の連絡乗車券はこの1種類のみとなってしまい、今後はJR連絡乗車券を発売する場合には補充片道乗車券による発売となるようです。

コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )

乗車券簿 第2号表

もう時効なのでエントリーいたしますが、国鉄時代に自宅最寄りの駅に勤務されていた馴染みの窓口氏に戴いた、乗車券簿第2号表です。


    ← クリックのあとに再度クリックすると、やたら大きくなります!


通常旅客の目に触れるものではありませんので実物を御覧になられたことがない方も居られると思います。これは硬券などの常備券の売上集計をするときに用いられる経理帳票です。


国鉄やJR,その他私鉄で使用されており、私鉄によってはオリジナルの様式を使用しているところもあるようですが、概ね全国共通の様式です。


一番左の「残存初番号」欄には前日残の券番(=当日朝一番の券番)を記入し、「引継残存初番号」欄には集計時にある券番を記入します。ここで、券番のところに赤鉛筆でチェックを入れ、乗車券簿に券番を記載したことを確認します。

「廃・他」欄には発券ミス等で廃札となったり、何らかの理由によって発売されないで手元に残されている券の枚数を記入します。

次の「発売枚数」欄には実際に発券された枚数を記入します。通常の発売については「無割」欄に、学割や障割等何らかの割引で発売されたものについては、その割引率に応じて「5割・3割・2割」の欄に枚数を記入します。

この段階で、「引継残存初番号」-「廃・他枚数」-「発売枚数」の計算結果が残存初番号の数字と一致しているか確認します。

「発売運賃」欄には、各口座ごとに「単価x発売枚数」でその売上金額を記入します。


最後にあります「発売引継」欄には集計後に発売をした枚数を記入し、翌日の集計の材料として引継ぐ数字および売上金額を記入します。これが「〇ヨ」と呼ばれる翌日集計の数字となります。


この用紙を見ていますと、硬券最盛期の窓口にある券箱には多数の硬券が刺さっていましたので、その一つ一つをこのように手集計して行くわけで、その精算業務には相当な手数が掛かることが容易に想像でき、「合理化」として硬券による出札業務から自動集計が可能となる印発機やマルス端末に切り替えられていった事情がよく判ります。

コメント ( 9 ) | Trackback ( 0 )

JR東日本 佐貫駅発行 土浦ゆき小児用往復乗車券

平成元年9月に常磐線佐貫駅で発行された、土浦ゆきの小児専用往復乗車券です。


   


青色JRE地紋のA型券で、東京印刷場にて調製されたものです。


JR東日本の駅では硬券による往復乗車券を設備している駅はかなり存在しましたが、需要がさほど多くは無いせいか、小児専用券はあまり設備されていなかったような気がします。
もっとも、この頃になりますと小児専用券を設備するほどの需要が多い駅についてはマルス端末か印発機が導入されていることが多く、「飛ぶように売れる」硬券の往復乗車券そのものが殆どなかったと思われます。


東京印刷場の小児用往復乗車券は、小児断片がない分最下段にスペースが取れますので、大人・小児用券については裏面にあります発行箇所名が表面に記載されており、図示いたしませんが、裏面には券番の他「下車前途無効」の文言のみが印刷されています。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

東京都交通局 電車片道乗車券

発行された日の特定ができませんが、昭和40年代初頭に発行された、都電の電車片道乗車券です。都電は東京都交通局がかつて運行していた路面電車で、殆どが昭和40年代に廃止されてバスや地下鉄に転換されましたが、唯一のこされているのが現在の荒川線になります。


   


白色無地紋の千切り券で、良く見ますと東京都交通局の局紋の透かしが入れられた券紙となっています。


   


裏面は何も印刷されていませんが、画像だとはっきりしないと思いますが、裏の方が局紋の透かしが良く見えます。

この券が発券されたのは電車の片道運賃が15円で早朝割引運賃が往復25円の運賃のころで、この運賃が適用されたのは昭和36年7月から昭和42年9月ごろまでであったと思いますので、その期間まで特定することができます。

早朝割引は始車(都電ではそう言っていたと記憶しています。)から1時間までという大変大雑把なもので、その時間帯に走る電車には「わりびき」という赤字の看板を前面の窓に掲示していました。


この券は電車に乗車すると車掌さんがやってきて即座に発券し、運賃と引替えに渡されます。下車する際には車掌または運転手に渡すこととなっており、集札された券は断裁箱という窓下のフックに架けられた箱に入れられました。車掌さんによっては券を手で二つに破ってから断裁箱に入れる人もいたように記憶しています。


都電は東京都交通局が東京都電車条例に基づいて運営する路面電車で、正式には東京都電車と言うそうです。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
   次ページ »