趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
乗車券簿 第2号表
もう時効なのでエントリーいたしますが、国鉄時代に自宅最寄りの駅に勤務されていた馴染みの窓口氏に戴いた、乗車券簿第2号表です。
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通常旅客の目に触れるものではありませんので実物を御覧になられたことがない方も居られると思います。これは硬券などの常備券の売上集計をするときに用いられる経理帳票です。
国鉄やJR,その他私鉄で使用されており、私鉄によってはオリジナルの様式を使用しているところもあるようですが、概ね全国共通の様式です。
一番左の「残存初番号」欄には前日残の券番(=当日朝一番の券番)を記入し、「引継残存初番号」欄には集計時にある券番を記入します。ここで、券番のところに赤鉛筆でチェックを入れ、乗車券簿に券番を記載したことを確認します。
「廃・他」欄には発券ミス等で廃札となったり、何らかの理由によって発売されないで手元に残されている券の枚数を記入します。
次の「発売枚数」欄には実際に発券された枚数を記入します。通常の発売については「無割」欄に、学割や障割等何らかの割引で発売されたものについては、その割引率に応じて「5割・3割・2割」の欄に枚数を記入します。
この段階で、「引継残存初番号」-「廃・他枚数」-「発売枚数」の計算結果が残存初番号の数字と一致しているか確認します。
「発売運賃」欄には、各口座ごとに「単価x発売枚数」でその売上金額を記入します。
最後にあります「発売引継」欄には集計後に発売をした枚数を記入し、翌日の集計の材料として引継ぐ数字および売上金額を記入します。これが「〇ヨ」と呼ばれる翌日集計の数字となります。
この用紙を見ていますと、硬券最盛期の窓口にある券箱には多数の硬券が刺さっていましたので、その一つ一つをこのように手集計して行くわけで、その精算業務には相当な手数が掛かることが容易に想像でき、「合理化」として硬券による出札業務から自動集計が可能となる印発機やマルス端末に切り替えられていった事情がよく判ります。
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「引継残存初番号」欄は、例えば一昼夜交代の窓口で朝の引継交代時に使用するものです。
当日の締切時には、当日の「残存初番号」欄から前日の「残存初番号」欄を引き算して数量を算出します。
(2号表上部の穴が4つあいているのは、当日と前日の「残存初番号」欄の引き算をしやすいように、2号表をずらして紐で綴るためです。
合理化ってのは、考える力を失わせているような気がします。
鉄道の現場では、乗車券関係だけでなく、ダイヤや信号などの運転関係などにも、昔のアナログチックな方法は、現在のコンピュータに頼りきってしまった技術に負けない偉大なものを感じますね。
ちなみに魅力を感じた窓口は、打ち込みに憧れたN型端末と硬券箱が備えられた出札口でした。
私も出札業務に憧れたひとりですが、1回や2回精算業務を体験するのは良いでしょうが、これが毎回となるときついかもしれません。あまり数学が得意じゃない方なので・・・
「券簿書き間違えると夜中でも呼び出されて…」とその駅の方から苦労話を伺いましたが、人為的なミスのことを考えれば自動集計ができる端末を導入する方が得策なのでしょうね。
秩父鉄道も四月から券簿の集計からコンピュータによる集計になったと聞きましたが、これも時代の流れなのでしょうか。
事業者によってはサイズは違うかもしれませんが、長さはB4の用紙を縦に切った位ですかね。
硬券を集計するのにコンピュータ集計とは、時代を感じさせますね。