JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
きょうで「昭和」が終わります
前回エントリーで「昭和最後」である昭和64年1月7日に西武鉄道東飯能駅で発行された普通入場券を御紹介いたしましたが、きっぷの世界にはあと1日「昭和」が存在しておりました。
昭和64年1月8日に豊島園駅で発行された普通入場券です。
白色無地紋のB型大人・小児用券で、詳細は不明ですが、前回エントリーの山口証券印刷のものとは違う印刷場で調製されたものです。
同社の硬券は、普通入場券の他に普通乗車券・特急券共に2つの印刷場が受け持っておりました。「どの駅が」とか「どの線が」という明確な区分はありませんでしたが、雑駁に山口証券印刷のものは池袋線系統の駅に、もう一つのものは新宿線系統と分かれていた感じでした。ただし、新宿線系統である多摩湖線や国分寺線の駅に山口証券印刷の券が設備されていたり、その逆で、今回御紹介の池袋線系統の駅であってもこちらの券が設備されていたこともありました。ただ、硬券末期は山口証券印刷に纏められていったような気がします。
この券は「昭和最後」の日であった昭和64年1月7日の営業日に発行されたものではありますが、夜12時を回るとカレンダーは1月8日になるわけであり、乗車券類の発行日は翌日の日付に変わります。しかし、まだどこも「平成」を使用していなかったこの日の夜中は、昭和64年1月7日の営業日の一部であったと考えられていたのでしょうか、カレンダー上では存在しない「昭和64年1月8日」となっています。
本日を以って、30年以上続いてきた「平成」が幕を閉じ、明日からは「令和」という新しい元号になります。当然乗車券類の日付についてはコレクター的に大変興味深いものではあったのですが、残念ながら最近の乗車券類の日付は西暦表示になっている事業者が多くなっており、少数派ながら今でも元号表示を行っている事業者が今後どのような表示を行うのか、興味深いところであります。