富士急行 社線用車内補充券

先月22日、プノンペン(カンボジア王国)で開催された第37回世界遺産委員会において、日本が世界文化遺産として推薦していた「富士山」の審議が行われ、世界遺産一覧表へ記載することが決定されました。そして、同時に推薦されていました三保松原については世界遺産委員会の諮問機関から除外することが適当と勧告されていましたが、審議の結果、三保松原も含めて記載することが決定されました。


さて、富士山に限りなく近い鉄道として富士急行線が挙げられますが、同線は東京近郊から至近の距離にあるにも拘わらず、未だに車掌が車内補充券を携帯して車内精算が行われています。


   


平成25年1月に発行された、一番最新の様式と思われる、社線内専用の車内補充券です。青色PJRてつだう地紋の券で、発行箇所名は鉄道乗務員区となっています。


従来からある入鋏式の軟券で、発駅は駅名の真ん中に、着駅は地図の〇印の中に概算鋏を入れて区別します。

この券は車内で有効な原券を提示して記念に発行して戴きましたので、「区間は問いませんので、審査に提出しやすい区間で結構です」と申し上げたところ、車掌氏「では、発駅は駅名の真ん中にパンチを入れなければならないので、文字が見えなくならない赤坂にしましょう」と言いながら発行してくださいました。


   

裏面のご案内文です。現在、同線には急行列車の運転はありませんが、なぜか急行券として発行する際の記載もあります。しかし、表面には急行券として発行する際の事由欄はありませんので、かつて急行列車が運転されていた時から版を変えていないのか、将来急行列車を運転する可能性を否定せずに敢えて文言を残してあるのか不明です。


   


最新の版では富士吉田駅の富士山駅への改称に対応したものとなっていますが、当時、車掌さんによってはまだ富士吉田時代の旧版の券を持っている方も居られるとのことでしたので、旧版をすべて使い切ってからの切り替えとしていた過渡期であったようです。

改定された部分を拡大して見てみますと、月江寺と富士急ハイランドの活字に比べ、富士山の活字のフォントは若干細く、明らかに版を差し替えた感があるものとなっています。

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