JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
国鉄東京印刷場製金額式乗車券いろいろ ~番外編
国鉄東京印刷場製金額式乗車券いろいろの9回目は番外編として、「東京印刷場様式に合わせられた新潟印刷場の金額式券」についてです。
新潟印刷場は、新潟鉄道管理局を始めとし、高崎・長野の各鉄道管理局と、東京西鉄道管理局の一部(中央本線竜王~小淵沢間)を管轄していましたが、その中でも高崎局管内の駅のものについては、通常のものとは違う様式の券が設定されていました。これはおそらく、特に首都圏に金額式券の着札が集まる高崎局管内の駅については、首都圏近郊の様式(東京印刷場のもの)と様式や表記方法の全く異なる券が混在が、集札現場に混乱を招くことを避けたものと思われます。
これはあくまでも新潟印刷場調整のものですので活字は新潟印刷場そのものですが、レイアウトや表記方法は東京印刷場のものに準じています。
下の弥彦駅のものが一般的な新潟印刷場の金額式券ですが、これと比べると違いは一目瞭然です。
新潟印刷場では発駅表示は縦書きで四角枠で囲まれていますが、高崎局のものは横書きで四角枠はありません。
また、新潟印刷場では大人・小児券に小児運賃の記載はありませんが、高崎局のものには小児運賃の記載があります。
さらには、新潟印刷場の小児断片の記載は発駅が縦書きで「発駅→大人運賃」もしくは五泉駅のもののように「発駅→小児運賃」となっていますが、高崎局のものは「金 ○○(小児運賃差額)」となっています。
小児用券についても大人・小児用と同じことが言え、活字や小の影文字は新潟印刷そのものですが、レイアウトその他の点で東京印刷場のものに準じています。
そのなかでも、特に新潟印刷場のものと異なる点は、今回連載の6回目にてエントリーさせていただきましたが、新潟印刷場の小児券の運賃区間表示は小児運賃表示されていますが、高崎局のものは大人運賃が表示され、別に小児運賃が記載されていることです。
9回に亘ってお付き合いいただきました「国鉄東京印刷場製金額式乗車券いろいろ」につきましては、ここでひとまず終了とさせていただきます。
東京印刷場製の硬券は金額式券だけにあらず、その他一般式や矢印式等の乗車券や特急券等の料金券、入場券等、いろいろな分野で面白い現象があります。
また時期を改めて、別の観点から研究していきたいと思います。
乗車券蒐集家にとっても人気が高い東京印刷場の話題なだけに、連載期間中にはたくさんのコメントをいただきました。ありがとうございました。一つ一つにご返事をすることができませんでしたが、ここで改めて御礼を申し上げます。