神様がくれた休日 (ホッとしたい時間)


神様がくれた素晴らしい人生(yottin blog)

高齢者の一人暮らしは情報通

2018年11月13日 19時17分41秒 | 老人介護

朝、出勤途中でおばあさんと行き違った、おばあさんといっても老人老人しているわけで無く

今時の80何歳のおかあさんだ

そして思い出した、一昨年連れあいが88歳で亡くなって、12月にその3回忌のおとき(食事)を

頼まれていて、「近いうちに打ち合わせに行きます」と言って、今日まで忘れていたのを思い出した

2kmほど離れている我が店まで来るのはちょっと無理なので、私が彼女の家に出向いていく

連れあいが亡くなって一人暮らしになったが、近所には何人も一人暮らし、あるいは連れあいのいない

おばあさんが何人もいて、毎日お互いに行き来している

このYさん宅に着いて「どうぞ」と言われて入ったら、中から痩せた小柄なおばあさんが出てきて

「じゃあこれで」と言って、わたしと入れ違いで外に出ていった

「わたしの姉なんだよ、95歳になるけど毎日ここに来るんだけど・・・・」と一息ついて

「呆けたわけじゃないんだけど、言ったことをすぐ忘れるんでねえ、毎日同じ事を言いに来る」

「でも、家にちゃんと帰れるから、まだ大丈夫なんじゃないですか」と私

「そうだね、家にはちゃんと帰るからね、すぐ隣に住んでいるのだから」

このYさんも一人ながら、娘が50mほどのところに嫁いでいるので、毎日様子を見に来ている

私は、こうして老人の一人暮らしを訪ねると一時間の長期戦になる覚悟でいく、独居老人は話しに

飢えている、Yさんのように元気で動ける人はまだ良いが、足腰がダメでほとんど外出出来ない人は

尚更、話し相手が欲しい

 

本題に入る前に、世間話から始めるのが私流、今日はYさんの方から95歳の姉さんの話をしてきたので

取り掛かりが楽、まずは落ち着きのお茶をいっぱい入れていただいて、猫舌の私はそのままにして話を聞く

「最近は物忘れがどんどんひどくなって、困るんさねえ、この間、老人会で大失敗したんだわ

Hさん(85歳くらい)と二人でOさん(88歳くらい)を誘って行く約束だったんね、忘れてしまってさあ、二人だけで

行ってしまった、そして忘れていることも忘れていたんだよね、そしたらOさんも今日が老人会だと言うことを

忘れているもんだから、その日はなんともなかったんさね」

「次の日、Oさんの隣のKさんが(90歳)Oさんに『敬老会どうだった?』って聞いたんね、そしたらOさん思い出して

『二人が迎えに来てくれる約束だったんに来てくれんかった』って、それで気まずくなってねえ、しばらく

なんも言えんかった、やだねえ忘れっぽくなって」

それで私もおばさんの話を少ししてから、娘さんの旦那さん(69歳)ISさんの話しに切り替えて

「ISさんは元気でいいねえ」と言ったら、「そうなんさ、仕事も辞めて毎日家にいるから遊びに行くと、すぐお茶を

入れてくれるし、退屈しないわ」と嬉しそう

「へえ、大工さんやめたんですか?、じゃあ趣味のゴルフ三昧ですね」

「ゴルフもやめたんだわ、何もしないで毎日なんかの本ばっか読んでるみたい」

「へえ~、そんなに閑なら、むかえのSさん(72歳)みたいに民生委員でも引き受ければいいのにね」

「Sさんって言えば、それもたいへんだったんだよ」「どうしたんですか?」

「行方不明になってね、近所の人が警察に通報して全市への放送をしてもらえばどうかねっていうもんだから

その前に、埼玉にいる娘さんに承諾を得た方がいいんじゃないっていったら『それもそうだね』ってなって

電話してみたら『放送はしないでください、近所のTさん(80歳)が親しくしてるから、そちらに聞いてみてください』

って、それで携帯でTさんに電話してSさんがいなくなったって言ったら、『Sさんなら一緒にいるよ、退屈そうに

してたからカラオケに連れてきて、今歌っているよ』だって、まあ一安心したけどさあ・・ひやりとしたわ」

「どうしてSさんが心配なんです?」民生委員をしてバリバリに元気なSさんを知っているから、今の話しが

腑に落ちない

「あら、知らんかたんかね、Sさんのおとうさん去年102歳で亡くなったでしょ、そしたら急に気が抜けたのか夫婦で

おかしくなっちゃってね、奥さんは人工透析を受けるようになって、Sさんが週4回車で送り迎えしてたんだけど

近所の人がSさんの様子がおかしいって言い出してね、民生委員の仕事で来るんだけど、言うことがおかしいって

みんなそう言い出して、とうとう車の免許証も返還、そしたら奥さんは入院するしかなくなって、家にはSさん一人

近くの介護施設が面倒を見てくれているんだけど、どうしたもんかねえ、まだ若いのに」

近所の話しだけど、私はまったく知らなかった、こうした高齢者のネットワークもなかなかのものだ、情報量が

半端でない、老人会の会長さんが先日88歳で、ハシゴに乗って木の枝きりをしていて落ちて即死したことや

今壊している近所の家は地主が別で、借りていた人が家を壊して更地にして返すんだとか、いろいろ知っている

やはり高齢者宅を訪問するのも何かと情報が入っていいもんだ、仕事の打合せもしてちょうど一時間、お茶を

3杯お呼ばれして帰ってきました。