滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

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【0905/137:論評】それは違うのでは (インフルエンザ・追加経済対策・定額給付金)

2009-05-19 00:23:41 | Weblog

【毎日新聞コラム「支局長からの手紙」:それは違うのでは】

 真夏日かと思うと肌寒さを感じたりと、気まぐれな天候が続き、どうも世情も落ち着きませんね。その一つが、新型インフルエンザ。関西で感染者が確認されました。潜伏期間があることを考えれば、水際検疫でウイルスの侵入を完ぺきに防ぐのは不可能であり、国内感染は時間の問題でした。季節性インフルエンザが関係する死者が推計で年間1万人を超えることもある厳しい事実を考えれば、通常の危険性を想定して対応するのが現実的でしょう。

 「リスクゼロ」という呪縛から解き放たれ、自己防衛に力点を置くことも必要です。過剰反応で大騒ぎしながら、「冷静に」という愚は避けなければなりません。インフルエンザに限ったことではありませんが。
     ◇
 落ち着きが悪いといえば景気ですが、追加経済対策として省エネ家電の購入者に政府がポイントを付与する「エコポイント」もスッキリしません。15日に始まったものの、ドタバタ感が強いですね。環境、経済産業、総務3省の告知チラシをみると、省エネラベルで四つ星相当以上のエアコン、冷蔵庫、地上デジタル放送対応テレビを来年3月末までに購入すれば、エコポイントが付くと説明しています。

 しかし、制度の運営を担当する事務局に領収書、保証書などを送る手続きが必要です。さらに、民間に委託するこの事務局がまだ決まっていませんし、ポイントがどう使えるのかも未定。制度の裏付けとなる補正予算案が審議中で、まだ成立していないからです。

 この制度導入が4月に発表されて買い控えが広がるという皮肉な事態が生まれたため、詳細未定のまま前倒しせざるをえなくなったのでしょう。告知チラシの一番下に、注意書きがありました。「国会審議の結果、エコポイントを付与しないこともございますので、あらかじめご承知おきください」
      ◇
 定額給付金にしても是非は別にして、時間と経費がかかりすぎです。景気テコ入れのために返済困難な借金をさらに増やしてまで巨費を投じるのなら、即効薬にならなければ中途半端に終わります。

 高速道路の「1000円乗り放題」も本来の目的である景気刺激効果が明らかにされないまま、お盆や年末年始にも適用する動きが出てきました。先の大型連休中に生まれた記録的渋滞がさらに増えて反エコ状態が生じ、運輸・流通業界に大きな影響が出る恐れがあります。ETC限定にも不公平感が消えません。最優先の経費削減を徹底したとは思えず、バラマキ感が否めません。

 これらの景気対策とかけて、前髪をピンで留める最近の男子を見たオバちゃんのひとこと、ととく。その心は、

「違うで、それは」【大津支局長・小林成明】

(5月18日付け毎日新聞・電子版)

http://mainichi.jp/area/shiga/news/20090518ddlk25070234000c.html

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