【写真：オムロンが６月に閉鎖する水口工場（甲賀市）】
オムロンは３月１０日、経営基盤の建て直しに向け、集積回路（ＩＣ）を生産する水口工場（滋賀県甲賀市）の６月閉鎖など第一弾のリストラ策を発表した。不採算事業の液晶テレビ用バックライト事業からも撤退し、英国の車載部品工場は２年後に閉鎖する。国内では配置転換などで従業員の雇用を維持するが、英国など海外では従業員約２９０人を解雇する。
水口工場は１９７５年の開設で、ＩＣなどの半導体製品や電気通信部品を製造してきた。閉鎖に伴い、生産ラインを野洲事業場（野洲市）と草津工場（草津市）に移設する。従業員９５人も両工場に移し、製造部門の派遣社員８３人は可能な限り両工場で受け入れる。工場用地は売却の方向という。
液晶テレビ用バックライト事業は２００４年にＫＯＡから買収したが、液晶テレビの販売減や価格下落で赤字となっていた。事業子会社の多摩ファインオプト（川崎市）は今年９月末までに解散し、台湾と中国の関連会社も１０年度中に清算。国内の従業員約４０人はオムロン本体やグループ会社で原則受け入れるが、中国、台湾の約７０人は解雇する。
英国工場は自動車用リレーなどを生産しており、自動車販売の低迷や価格競争の激化などで採算性が悪化していた。従業員２１８人は解雇する。
オムロンは今年１月、景気悪化による設備投資の減退などで、０９年３月期の当期利益が従来予想の２０５億円から１０億円に落ち込む見通しを発表。不採算事業撤退や工場再編を進めるとしていた。第二弾のリストラ策も概要が固まり次第、明らかにする方針。
(３月１０日付け京都新聞・電子版）
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009031000175&genre=B1&area=S00
