滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

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【1006/78:柔道部員死亡】柔道事故テーマに都内でシンポ / 13日、滋賀の遺族ら提言

2010-06-12 00:19:46 | Weblog
 柔道の授業や部活動中に死亡した子どもの遺族でつくる「全国柔道事故被害者の会」(東京都)は6月13日、都内で初のシンポジウム「柔道事故と脳損傷」を開く。昨年7月に滋賀県愛荘町の秦荘中で柔道の部活動中に意識を失い、約1カ月後に死亡した村川康嗣君=当時(12)=の遺族や医師が講演し、安全な柔道指導のあり方を提言する。

 同会は、村川君の伯父、村川義弘さん(48)=東京都=らが発起人となり3月に設立した。会によると2009年までの27年間で柔道の授業、部活動などで死亡した中高生は全国で108人に上るという。会は、事故に遭った子どもの家族への情報提供などの支援と、柔道の安全への貢献を目的とし、約10家族が加入している。

 シンポジウムは午後1時から東京都中央区のTKP東京駅日本橋ビジネスセンターである。学校でのスポーツ中の事故を研究する愛知教育大の内田良講師が全国の柔道事故の実態について、村川君の母、弘美さん(42)が「被害者家族の話」と題して講演する。同会が調査した欧米での事故事例の発表もある。

 副会長を務める義弘さんは「柔道が安全に行われ、人が死なないためにどうするべきか考えていきたい」と話している。参加費2千円。

【関連ニュース番号:1005/5月20日;1004/71、4月9日;1003/221、3月28日など】

(6月11日付け京都新聞・電子版)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100611000025&genre=C4&area=S00

【「柔道事故 対策講じて」】

写真:柔道事故について説明するシンポジウムの参加者ら=東京都中央区日本橋1丁目

■秦荘中部員死亡/母親が安全訴え

 柔道の事故で死亡したり障害を負ったりした子どもの家族らでつくる「全国柔道事故被害者の会」が13日、東京都中央区で、事故を考える初のシンポジウムを開いた。学者や医師が事故の現状や予防策を解説。昨年夏に部活動中に意識を失い死亡した愛荘町立秦荘中1年の村川康嗣君(当時12)の母弘美さん(42)が体験を語り、柔道界に安全に配慮した指導の徹底を訴えた。(堀川勝元)


【被害者の会シンポ開催/専門家「指導者の育成を」】


 シンポジウムのテーマは「柔道事故と脳損傷」。被害者の会のほか、柔道界や文部科学省の関係者ら約130人が参加した。


 愛知教育大教育学部の内田良講師は、2009年度までの27年間に柔道の部活動や授業で中学、高校生109人が亡くなり、死亡率が突出して高いスポーツと報告。初心者の事故が多く、12年度からは中学の授業で柔道などの「武道」が必修化されることに触れ、「事故の実態や発生のメカニズムを理解した指導者の育成が必要だ」と訴えた。


 神奈川県立足柄上病院の野地雅人・脳神経外科部長は、柔道で引き起こされる脳障害のメカニズムを解説。頭を打たなくても投げ技の回転時に脳が揺さぶられて血管が切れる可能性を指摘し、「頭痛や意識の薄れなどの症状が現れた場合はすぐに練習を中止して」と述べた。


 弘美さんは、柔道初心者の村川君がふらふらの状態で乱取りを続け、意識を失った後に死亡した経緯を説明。「投げ技で脳の血管が切れることはスポーツ医学の世界では常識だが、学校側は情報を持ち合わせていなかった。日本で毎年死者が出るのは、柔道界が原因究明をおろそかにし、具体的な対策を講じてこなかったからだ」と述べた。


 最後に、息子が脳障害を負った被害者の会の小林泰彦会長(63)は「願いは二度と事故を起こさないこと。子どもたちに、柔道を学びなさいと言えるように、再発防止の手を打ちたい」と話した。




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