【写真:淡海学園の歩みをまとめた100周年記念誌(甲賀市土山町大野)】
非行傾向があったり、家庭環境などのために生活指導が必要な子どもが寮生活する児童自立支援施設「滋賀県立淡海(たんかい)学園」(甲賀市土山町大野)が今年、創立100周年を迎えた。夫婦の職員が子どもと寝起きする家庭的な仕組みなど長年受け継いできた特色や、元職員と退園生の心の触れ合いを、記念誌(A4判109ページ)にまとめた。
同学園は1910年、非行の子どもを受け入れる感化院として大津市比叡辻で創設された。戦後の48年に教護院となり、62年に現在地に移転した。近年は児童福祉法の改正で受け入れ条件が広がり、被虐待児や発達障害児が増えているという。
現在、小学4年~中学3年の男女26人のうち、非行以外の入所理由は10人にのぼる。
都道府県ごとにある施設は以前、夫婦職員が10人前後の少人数の子どもと寮生活するスタイルが主流だった。近年は職員の負担感から交代制に切り替えが進みつつあるが、淡海学園は続けている。
記念誌では、寮母が、何度も無断外出をした子の思い出として、寮に連れ戻して説教した後に作ったラーメンの味を「忘れられない」と卒業式で語ってくれたとつづるなど、夫婦職員が住み込んで接することによる信頼感が浮かぶ。
園生への教育が不十分だった時代に、地元の教育委員会の理解で、教諭派遣が先駆的に実現した経緯を関係者が寄稿したり、職場実習で園生を受け入れている住民の感想もある。写真では、豊かな自然環境を生かした農作業やスポーツ活動も紹介している。
土橋輝彦園長(53)は「子どもが退園後に帰るのは地域。今後もさらに連携を深め、時代や子どもの変化に合わせた取り組みを大事にしたい」と話す。
(12月30日付け京都新聞・電子版)
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20101230000031
非行傾向があったり、家庭環境などのために生活指導が必要な子どもが寮生活する児童自立支援施設「滋賀県立淡海(たんかい)学園」(甲賀市土山町大野)が今年、創立100周年を迎えた。夫婦の職員が子どもと寝起きする家庭的な仕組みなど長年受け継いできた特色や、元職員と退園生の心の触れ合いを、記念誌(A4判109ページ)にまとめた。
同学園は1910年、非行の子どもを受け入れる感化院として大津市比叡辻で創設された。戦後の48年に教護院となり、62年に現在地に移転した。近年は児童福祉法の改正で受け入れ条件が広がり、被虐待児や発達障害児が増えているという。
現在、小学4年~中学3年の男女26人のうち、非行以外の入所理由は10人にのぼる。
都道府県ごとにある施設は以前、夫婦職員が10人前後の少人数の子どもと寮生活するスタイルが主流だった。近年は職員の負担感から交代制に切り替えが進みつつあるが、淡海学園は続けている。
記念誌では、寮母が、何度も無断外出をした子の思い出として、寮に連れ戻して説教した後に作ったラーメンの味を「忘れられない」と卒業式で語ってくれたとつづるなど、夫婦職員が住み込んで接することによる信頼感が浮かぶ。
園生への教育が不十分だった時代に、地元の教育委員会の理解で、教諭派遣が先駆的に実現した経緯を関係者が寄稿したり、職場実習で園生を受け入れている住民の感想もある。写真では、豊かな自然環境を生かした農作業やスポーツ活動も紹介している。
土橋輝彦園長(53)は「子どもが退園後に帰るのは地域。今後もさらに連携を深め、時代や子どもの変化に合わせた取り組みを大事にしたい」と話す。
(12月30日付け京都新聞・電子版)
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20101230000031