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【1009/144:公営ギャンブル】びわこ競輪 廃止、 大津市方針 60年で幕

2010-09-18 01:04:57 | Weblog
【写真:事業廃止が決まった大津びわこ競輪場(6月6日、大津市二本松)】

 大津市は9月16日までに、来年3月で競輪事業を廃止する方針を決めた。目片信市長が17日の市議会本会議で正式表明する。昨年度まで6年連続の赤字で、2010年度も赤字が見込まれる。事業収益から市の一般会計に繰り出しができない状況が続いており、競輪事業の本来の目的が果たせないと判断した。「大津びわこ競輪場」(同市二本松)で開催されてきた競輪は60年の歴史に幕を下ろす。

 市は、経済産業省やJKA(旧日本自転車振興会)など競輪関係団体と協議、9月までに廃止の了解を得た。来年6月の開催が決まっていた格付けの高いGⅠレース「高松宮記念杯競輪」(宮杯)は、びわこ競輪場で行わない。

 市によると、04年度から赤字が続き、09年度末で18億3000万円の累積赤字を抱える。10年度も7億5600万円の赤字が予想され、収支改善が見込めないという。

 09年度の競輪事業の車券売上額は、年間168億7900万円で、ピーク(1997年度)の約3分の1に落ち込んでいる。とくに年間売上高の7割以上を占める宮杯は、今年は107億4600万円と89年度以降で最低となり、事業廃止の決め手となった。

 市の競輪事業は50年に県と共催で始まり、89年度以降は市の単独開催となった。

■赤字、歯止めかからず

 大津市が競輪事業廃止を決定した。2004年度から赤字が続き市財政に貢献できず、事業継続は困難と判断した。市は10年度末で約26億円の累積赤字を予想する。赤字返済のための起債はできず、一般会計から繰り出して穴埋めする必要があり、市の事業に影響を与えることは必至だ。

 競輪業界を取り巻く状況は厳しい。全国競輪施行者協議会(東京都)によると、競輪全体の売上高は1991年度の1兆9551億円をピークに減少、09年度は7275億まで落ち込んだ。

 02年には甲子園、西宮(いずれも兵庫県)、門司(福岡県)の3競輪場が廃止され、今年3月には花月園(神奈川県)が廃止となった。京都向日町(向日市)、一宮(愛知県)でも存廃議論がある。レジャーの多様化で新たなファンを開拓できず、不景気の影響もあって売り上げ減少に歯止めをかけられないことが原因だ。

 今後は、滋賀県が土地を所有する大津びわこ競輪場の跡地処理が課題となる。影響を受ける選手や従事員に対しても、市は誠実に対応する必要がある。

(9月17日付け京都新聞・電子版:同日付け毎日・電子版なども報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20100917000026

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