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【1002/45:市長選】長浜市の課題 : 市長選を前に、不公平感ない施策を (読売新聞)

2010-02-06 00:17:25 | Weblog
【写真:地域づくり協議会の会合。新市に格差や不公平感を生まないためにも、行政は市民が自主的に地域を守る取り組みを後押しする必要がある(長浜市の田根公民館で)】

 合併による広域化に伴い、問題が顕在化しているのが地域間格差。新「長浜市」でも、旧6町は少子高齢化や過疎が深刻な地域であるうえ、支所の職員数も合併前から3割も減少し、行政が住民の要望を細かくくみ取ることがますます困難になっている。市は住民主導の協議会設置を進め、地域の課題をできるだけ自分たちで解決してもらう方針を打ち出しているが、旧町部からは「行政がますます遠くなる」との声も聞こえてくる。
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 長浜市は2007年から、市内各地の公民館を単位に「地域づくり協議会」を設置。今年1月現在、旧市内13地区のうち12地区で発足している。

 協議会は独自に活動計画を定め、空き家対策や介護予防事業、公民館の指定管理など、これまで行政が行ってきた役割を“肩代わり”していく方針。市の支援は、毎年20万円の交付金や広報紙発行費用などの補助に限られている。

 市幹部の一人は「財政難の中、市民でできることと、行政がやるべきことをきちんと線引きし、限られた財源を効果的に配分する必要がある。合併はそのための一つのきっかけ」と意義を強調。別の幹部も「住民自らが地域にかかわっていくのが、本来の自治のあり方。一人ひとりが役割を果たし、地域が盛り上がれば、格差を感じにくくなるはず」と話す。市は今後、旧6町でも設置を促していくことにしている。
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 県内最北端に位置する旧余呉町。町域のほとんどを山間部が占め、1日現在の人口は3778人と旧6町で最も少ない。それだけに、住民には「合併で地域が埋もれてしまう」との危機感も強い。

 昨年4月、同町菅並地区周辺の住民らが「妙理の里振興組合」を発足。トチの実の加工品作りやモミジの植樹などを進めてきた。同11月には、「多くの俳句に詠まれた町の個性を残そう」という住民の発案をきっかけに、高齢化や資金難などで途絶えていた俳句大会が復活した。住民が自分の手で積極的に取り組んできた成果といえる。

 しかし、同町の高齢化率が33・4%で、新市の平均(23%)を大きく上回っているという現実は残ったまま。振興組合の山形賢一組合長(64)は「この10年で人も減り、町から元気がなくなっているのが現実。集落を超えて協力しないと、中心部との格差は広がるばかりでは」と懸念を示す。
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 中心部と周辺部との間で生じかねない深刻な格差を防ぎ、合併を意義あるものにするためにも、新市長には、市民に「切り捨てられた」との不公平感を感じさせず、それぞれの地域が個性を発揮できるような施策が求められる。

(この連載は矢野彰が担当しました)

【関連ニュース番号:1002/44、2月6日;1002/41、2月5日;1002/28、2月4日】

(2月5日付け読売新聞・電子版)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20100204-OYT8T01357.htm

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