毎日特注記事【ご近所のお医者さん:/45】
前回に続き、厚生労働省が2年に一度行っている医師調査を基に県内の現状をみてみます。
人口当たりの医師数が全国的に少ない状況にある滋賀の医療施設従事医師数を診療科別にみると、06年現在で内科が928人と最多。続いて小児科417人、外科297人▽消化器科(胃腸科)291人▽整形外科253人▽循環器科245人▽眼科128人▽精神科112人などとなっています。
04年現在と比較すると、これらの診療科のうち外科、消化器科、整形外科、循環器科、眼科が増加し、内科と小児科、精神科は微減ですが、特に減少傾向にあるのが産科医(産婦人科・産科)です。
全国的にもこの傾向がうかがえますが、滋賀は06年(83人)が04年(104人)と比べて約2割減の大幅減少となっています。このように産婦人科と産科に従事する医師数の地域差が生じています。
昨年発表された医師調査では初めて産科医数の格差を調べています。その結果によると、06年現在、15~49歳の女性人口10万人当たりの産科医数は全国平均が38・7人。これに対し、滋賀は26・8人と全国最少です。
近畿の他府県はすべて30人を超えており、全国最多の鳥取との格差は2・26倍に上ります。医師全体の最大格差2・01倍(京都と埼玉)よりも大きい差です。このコーナーで、地域診療に携わる医師から指摘されている産科医の危機的状況が数字に明確に表れています。(係から)=この項続く
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◇都道府県別産科医数(15~49歳の女性人口10万人当たり)
【上位】 【下位】
(1)鳥取 60.5 <47>滋賀 26.8
(2)徳島 54.6 <46>埼玉 27.6
(3)島根 51.5 <45>北海道 31.5
(4)宮崎 50.9 <44>青森 31.8
(5)長崎 50.5 <43>奈良 31.9
(4月22日付け毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20080422ddlk25070555000c.html