滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

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【0611/62:栗東、産廃処分場問題】住民団体が11月29日、県による処分場跡地の所有を知事に要望

2006-12-01 02:03:46 | Weblog

栗東市にあるRDエンジニアリング社(今年6月に破産)の産廃処分場から昨年末に有害物が入っていると見られるドラム缶類が多数発見され地下水などの環境汚染が懸念されている問題で、住民らで作る「産廃処理問題合同対策委員会」と「RD処分場の有害物から飲み水を守る会」は11月29日、破産したRD社に代わって県がいったん処分場跡地を所有して、有害物除去の問題の解決を図るよう訴える要望書を嘉田知事に手渡しました(ニュース番号)。

併せて、2団体が進めている有害物の除去を求める署名約1600人分も提出しました。署名は今年9月、約1万4300人分が県にすでに提出されています。

要望書によると、同処分場の問題は県が許可、監督して発生したものであり、RD社が破産した現在、有害物を除去し環境汚染を防止する責任は県にあると指摘し、処分場の土地が第三者に渡ると問題解決ができなく恐れがあり、県が取得することが最善の策であるとしています。

住民団体の代表者らは「破産管財人は、県が所有する意思があれば事実上無償で譲渡としてもよいとしているが、所有の意思がない場合は第三者への売却の可能性を示唆している。栗東市は全責任が市に及ぶことを懸念して所有する意思がないことをすでに示している。このため公的機関以外の者に土地が渡れば有害物の除去が遅れるのは目に見えている」と述べました。

「なぜ県が所有しようとしないのか。管財人が述べているように、県が所有するのに費用を要するわけではない。所有すれば県にとって何か不都合なことがあるのか」という住民の質問に対して、知事は「誰が所有するかということと、汚染防止のためにどのような対策を講じるかは別問題。誰が所有しようと、やるべき対策は講じる。県に所有する理由はない」と答え、あくまでも業者らに責任を求める方針を示すにとどまりました。

2団体の要望書の原文は以下の通りです。

《産廃処理問題合同対策委員会の要望書》

滋賀県知事 嘉田由紀子様
RD産廃処分場土地所有に関する県(要望書)

RD処分場の改善・対策について、いろいろご検討いただいていることに対してお礼申しあげます。

去る10月17日に、県のRD処分場対策推進室長から「RD最終処分場問題の解決に向けた県の対応方針(案)」について説明を受けました。

その中で、6項「RD最終処分場に管理について」に関連し、RD処分場の土地を県が所有すべきであるという我々の強い要望に対して、県は土地を所有しないと言うだけで、なんらの具体的な回答はありませんでした。

RD問題は、県が許可し、監督してきた処分場で発生している問題であり、RD社が倒産した現在では、県が有害物を除去し環境汚染を防止する責任があります。

処分場が公的機関以外の第三者に渡った場合は、有害物が存在している産廃処分場の問題解決が出来なくなる懸念があります。9月11日に知事とお会いし、14329筆の署名をお渡ししました。そのとき口頭でお願いしたように、RD処分場の土地をいったん県が所有することが、早急に問題解決を図るために、最善の策であり、必要条件であることは、住民の一致した考えです。

ここに、県がRD処分場の土地を所有し、問題解決に当たられることを、嘉田知事に強く要望いたします。

《RD処分場の有害物から飲み水を守る会の要望書》

嘉田知事へのお願い

RD処分場と土地は是が非でも県に所有して頂かなければなりません。何故かといえば、それは次の理由からです。

1.原因者であるRD社に対してでも、断固たる姿勢を取れなかったのに、このような曰く付きの土地をあえて買おうとするような会社や人に対して、本当に県が断固たる姿勢をとれるのでしょうか。大いに不安を覚えます。

2.昨年12月に掘り出されたドラム缶と、それによる土壌汚染以外、県は未だに公式にRD処分場の違法性を認めていません。そのような状況の中で、この曰く付きの土地を買う人に、何を根拠に改善の命令を出せるのでしょう?買った人が開き直れば、この土地はなんの修復もなされないまま勝手に処分される可能性があります。

3.少なくとも、嘉田さんが知事になられるまで、県は県の責任による調査でさえも、試料分析であえてごまかしを指示したり、違法な物が見つかっても「それは、紛れ込んでるだけ」と称して、それ以上の調査を拒否したり、専門家の指摘をあえて無視したり、といったような私たちの目からすれば、RD社の肩を持ち、一生懸命にRD社には違法性がないと言わんばかりの態度をとってこられたように見えました。このようなこともあって、処分場の違法性は未だに公式に認められていません。これは大変重要な事です。

4.これまで述べた理由により、この土地が第三者の手に渡ることは、なんとしても避けなければなりません。とにかく県の所有にして下さい。お願い致します。

(写真は要望書を知事に手渡す住民代表ら。写真をクリックすると大きくなります)

(11月30日付け京都、朝日、毎日も報道)

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