滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【1001/47:障害者自立支援法】自立支援法訴訟で合意文書

2010-01-09 00:21:20 | Weblog
 障害者が福祉サービスの費用の1割を負担する障害者自立支援法について滋賀など全国の障害者らが廃止を求めている裁判で、被告の国が障害者の生活に悪影響を招いたなどと反省の意を表明したうえで法律を廃止して新たな制度を作ることで、1月8日までに原告と合意し、裁判は終結する見通しになりました。

 この裁判は4年前に施行された障害者自立支援法をめぐって福祉サービスを利用する際に原則1割の自己負担を求めるのは「人間らしい生活ができず、生きる権利を保障した憲法に違反する」と主張して、全国の障害者らが廃止を求めているものです。

 裁判をめぐって被告の国側は▼自立支援法の施行で障害者や、その家族らに多大な混乱と生活への悪影響を招き、人間としての尊厳を深く傷つけたことに対して心から反省の意を表明したうえで▼支援法を廃止し、障害者の声を反映させた新たな制度を作るとする合意案を原告側に示しました。

 これに対して全国の原告団は合意案を受け入れることを決め1月7日、原告団の代表が長妻厚生労働大臣と会談して、合意文書に調印しました。

 これによって大津地方裁判所など全国14の裁判所で審理されている裁判は、すべて終結する見通しになりました。

 これについて滋賀県の原告団の元永佐緒里弁護士は「訴訟を起こした主旨に添う合意に達することができました。ただ、これで終わりなのではなく障害のある人たちの権利を守る、よりよい制度をつくっていくための第一歩だと思います」と話しています。

【関連ニュース番号:0910/03、09年10月1日;0909/144、09年9月16日;0909/131、09年9月14日など】

(1月8日、NHK大津放送局・電子版)

http://www.nhk.or.jp/otsu/lnews/01.html

【1001/46:県立文化施設廃止】県の文化行政問う集い、9日、大津市で開催へ

2010-01-09 00:12:23 | Weblog
 滋賀県が行おうとしている県立文化施設の廃止・見直しを考える市民の集い「滋賀県の文化行政を問う」(主催=市民運動ネットワーク滋賀)が九日午後一時半から四時まで、大津市生涯学習センター(京阪膳所本町駅下車、徒歩五分)で開催される。
 しが県民芸術創造館の存続を願う会世話人代表の檀原弘之氏、琵琶湖文化館友の会会長の穂積實氏、滋賀会館シネマホール・ファンクラブ代表の中川学氏が講演し、パネルディスカッションを行う。
 参加は、三百円。詳しくは、TEL077―522―5415の池田進氏まで。

【関連ニュース番号:1001/08、1月3日;0912/231、09年12月27日など】

(1月8日付け滋賀報知新聞・電子版:7日付け京都も報道)

http://www.shigahochi.co.jp/info.php?type=article&id=A0003440

【1001/45:滋賀将来像】滋賀をデザインする 〈7〉 伝統産業  新技術と信楽焼融合

2010-01-09 00:06:40 | Weblog
【読売新聞特集:滋賀をデザインする 〈7〉】

■伝統産業  新技術と信楽焼融合

【写真:谷さんが手がけたサイン灯(甲賀市で)】

 2009年9月にインテックス大阪(大阪市)で開かれた家具・家庭用品の国際見本市。世界的な工業デザイナー・喜多俊之さんが監修しただけに、デザインに富んだ作品がずらりと並ぶ中、やわらかな光を放つ焼き物が話題となった。発光ダイオード(LED)で光る信楽焼。新技術と伝統工芸の融合だった。

 新商品を仕掛けたのは、甲賀市信楽町の県信楽窯業技術試験場。国の伝統的工芸品に指定されている信楽焼の新分野として未来型の照明を提案しようと、07年8月、地元の陶芸家ら10人と照明器具開発研究会を結成し、消費電力を抑え、寿命の長いLEDに着目した。

 川口雄司場長は「陶芸家個人の力だけでは、産地として生き残るのは難しい。力を合わせて製品開発に挑むことで、新たな市場を開拓したい」と意気込む。

 メンバーは研究の成果を基に、それぞれの感性を生かした作品づくりに取り組んでいる。普段は主に食器を手がけている山重製陶の谷信男さん(52)は今回、「現代建築の中で引き立つ信楽焼にしたい」と、ホテルや庭園で足元を照らすサイン灯を作った。先をとがらせて誘導する方角を示すなどデザインにもこだわっており、名前を彫って表札代わりにすることもできる。2月には、ドイツで開かれる見本市に出展する。

 「新しいことに挑戦するから、古いものの良さがわかり、技が洗練されていく。新しいものづくりが将来の伝統になればうれしい」。谷さんが夢を膨らませる。

 彦根市のキャラクター・ひこにゃんの人気も手伝い、観光客でにぎわう彦根城近くの「夢京橋あかり館」(彦根市本町)に、彦根仏壇の部品を作る工程を見学できるスペースがある。若手職人グループ「江州彦根七職家(ななしょくけ)」が週末、交代で彫刻や漆塗りなど“匠(たくみ)の技”を披露している。

 彦根仏壇は、信楽焼と同じく国指定の伝統的工芸品。七つの工程をそれぞれ専門の職人が担当し、部品を職人から職人へと手渡し、完成させていくのが特徴だ。

 七職家は、06年7月に発足した。海外で製造された格安品の横行や、核家族化や少子化に伴う仏壇需要の低下で仕事は激減し、後継者も定まっていない現状に危機感を抱いた蒔(まき)絵師の舟越丈二さん(39)が「400年の歴史を僕らで終わらせるわけにはいかない」と立ち上がった。

 舟越さんの誘いに、20~50代の職人7人が賛同した。金箔(きんぱく)押師の宮川浩さん(42)は「技術を次に伝えるのが僕らの役割だと思った」と言い、木地師の山下学さん(37)も「多くの人に本物の良さを知ってもらいたかった」と理由を語る。

 これまで職人は消費者と直接、話をする機会がなかったが、仕事の工程を見てもらうことで、率直な感想を知ることができ、自信につながった。百貨店で展示会を開いたり、地元小学校に講師に出向いたりするなど活動の幅も広がっており、2月からは地元の観光協会と協力し、市内のホテルで体験教室も開く計画だ。

 舟越さんが力を込める。「8人の力を結集して彦根仏壇の知名度を上げ、仏壇職人の存在を知ってもらい、僕らの手で後継者を見つけたい」

 職人たちの挑戦が、滋賀の伝統に新しい風を吹き込んでいる。(終わり)

 (この連載は東田陽介、渡辺征庸、矢野彰、浦野親典、横田加奈、高田寛、渡辺彩香が担当しました)

(1月8日付け読売新聞・電子版)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20100107-OYT8T01444.htm