借金を抱えて県税を滞納している男性が、大手消費者金融に金利を払いすぎていたことがわかり、県は近く、本人に代わって同社に過払い金112万8千円の返還を求める訴訟を大津簡裁に起こす。税の滞納に悩む各地の自治体が対策の切り札として注目している手法で、県が実施するのは初めて。(大高敦)
県税政課によると、税を滞納しているのは高島市の自営業者の男性。2007年と08年の個人事業税計11万7千円を納めず、西部県税事務所が財産調査に入った。差し押さえるべき財産はすぐに見あたらなかったが、詳しく事情を聴くと、男性はかつて大手消費者金融との間で借り入れと返済を繰り返し、総額100万円以上の金利を払い過ぎていたことが明らかになった。
利息制限法の上限金利は年15~20%だが、多くの消費者金融が同法の上限を超え、出資法の上限29.2%までの範囲内(グレーゾーン金利)で貸し出しをしてきた。刑事罰はないが、一定の条件を満たさない限り民事上は無効な金利とされる。
払いすぎた金利は返還を求めることができ、男性にもその権利があった。県は2月に男性の請求権を差し押さえ、消費者金融に過払い金の返還を直接請求。しかし、同社は支払いに応じず、年明けに提訴に踏み切る。
県が勝訴すれば、回収した資金の中から、滞納した税金と延滞金を差し引いた分を男性に返却する。「県自らが訴訟をすることで滞納分を確実に徴収できる。返還請求を滞納者任せにすると、資金が戻っても納税にあててもらえない可能性がある」と担当者は説明する。
県は昨年8月、先行して取り組んできた神奈川県から担当者を招き、ノウハウを学んだ。個人事業税など県がとりたてる税金の徴収率は昨年度が97.1%。三位一体改革で国から地方への税源移譲が進み、歳入に占める税収の割合は大きくなっており、県は「徴収率向上にむけ、今後もあらゆる手法を検討する」としている。
(12月22日付け朝日新聞・電子版)
http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000912220004
県税政課によると、税を滞納しているのは高島市の自営業者の男性。2007年と08年の個人事業税計11万7千円を納めず、西部県税事務所が財産調査に入った。差し押さえるべき財産はすぐに見あたらなかったが、詳しく事情を聴くと、男性はかつて大手消費者金融との間で借り入れと返済を繰り返し、総額100万円以上の金利を払い過ぎていたことが明らかになった。
利息制限法の上限金利は年15~20%だが、多くの消費者金融が同法の上限を超え、出資法の上限29.2%までの範囲内(グレーゾーン金利)で貸し出しをしてきた。刑事罰はないが、一定の条件を満たさない限り民事上は無効な金利とされる。
払いすぎた金利は返還を求めることができ、男性にもその権利があった。県は2月に男性の請求権を差し押さえ、消費者金融に過払い金の返還を直接請求。しかし、同社は支払いに応じず、年明けに提訴に踏み切る。
県が勝訴すれば、回収した資金の中から、滞納した税金と延滞金を差し引いた分を男性に返却する。「県自らが訴訟をすることで滞納分を確実に徴収できる。返還請求を滞納者任せにすると、資金が戻っても納税にあててもらえない可能性がある」と担当者は説明する。
県は昨年8月、先行して取り組んできた神奈川県から担当者を招き、ノウハウを学んだ。個人事業税など県がとりたてる税金の徴収率は昨年度が97.1%。三位一体改革で国から地方への税源移譲が進み、歳入に占める税収の割合は大きくなっており、県は「徴収率向上にむけ、今後もあらゆる手法を検討する」としている。
(12月22日付け朝日新聞・電子版)
http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000912220004