滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

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【0903/224:近江八幡医療センター】PFI契約公開へ指針:滋賀教訓、融資・委託情報

2009-03-30 00:08:07 | Weblog

 公共施設の建設や運営に民間の資本や経営手法を活用するPFI方式で、内閣府は、民間事業者と金融機関との融資契約内容などを国や自治体も把握し、住民に公開するよう求めるガイドラインを近くまとめる。企業秘密とされてきたが、滋賀県近江八幡市で事業者との契約解除の際に巨額の違約金を請求される事案があり、税金の使い道の透明化に向けて情報公開を進める。

 内閣府の調べでは、国や自治体がPFI方式で実施する事業は、計画中も含めて333件(08年末時点)。行政側は民間事業者(特別目的会社・SPC)と事業契約を結ぶが、SPCが金融機関と結ぶ融資契約や業務委託先の民間企業と結ぶ契約内容は企業秘密とされ、自治体が把握できないケースが多い。

 近江八幡市では、老朽化した旧市民病院を建て替える際にPFI方式を導入。ゼネコン出資のSPCと事業契約を結び、06年度に市立総合医療センターを開設した。

 ところが市の見通しの甘さから、医業収入が予想を下回って経営難に陥り、昨年に入って契約内容の見直しを協議。解除の場合は免失利益などとして違約金65億円を請求された。しかし、SPCと金融機関や業務委託先との契約内容は明らかにされず、違約金の算出根拠も「ブラックボックス」(市幹部)だったために交渉が長期化。最終的に昨年12月に20億円で合意した。

 ガイドラインでは行政、SPC、金融機関の3者が契約内容の情報を共有し、住民から情報公開請求があれば開示することが望ましいと定める。SPCと業務委託先の企業が結ぶ契約内容も共有し、開示を求める。ただ、ガイドラインに強制力はなく、民間事業者が難色を示す可能性も指摘される。(日比野容子)

【キーワード:PFI方式】プライベート・ファイナンス・イニシアチブ(民間資本主導)の略。民間のノウハウによって無駄なコストが省かれ、質の高い公共サービスが提供できるとされる。病院やゴミ処理場などの公共施設の建設、維持管理、運営に導入されることが多く、自治体は民間事業者に事業費を支払い、市民は利用料を負担する仕組み。

【関連ニュース番号:0901/64、1月11日;0903/139、3月17日;0903/152、3月19日など】

(3月29日付け朝日新聞)