■防災ベンチ:普段はベンチ、災害時かまど/大津・なぎさ公園に「おくどさん」
大津市公園緑地協会が緊急不況対策として臨時職員を雇って実施した防災ベンチが完成し、このほど同市島の関の「なぎさ公園」に設置された。【稲生陽】
完成したのは、約30キロの板部分を外せば、かまどになる防災ベンチ「おくどさんベンチ」。災害時に炊きだしができる。来年度以降、なぎさ公園のように災害時の避難場所となる市内の公園に順次配備していく予定だ。
製作は来年度の予定だったが、協会が不況対策として前倒しで2月に実施。ただ、募集枠5人に対し、応募8人、採用3人にとどまった。雇用期間が2カ月間と短かったことが原因とみられる。「協会には感謝しているが、見つかる仕事は短期ばかり。もっと安定した生活をしたい」と携わった臨時職員は浮かない表情を見せた。
臨時職員は週5日間、毎日8時間勤務で、日給6560円。1月末まで京都の自動車部品工場で働いていた足立潤子さん(33)=大津市大石=はハローワークで応募。昨年秋から会社の経営が急激に悪化し、派遣やパート社員は全員解雇された。今回は、経験のない力仕事に苦労したが、「土曜や夜もハローワークに通っていても、安定した仕事は競争率数十倍で、まず無理。仕事を選んではいられない」と話した。
(3月13日付け毎日新聞・電子版)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20090313ddlk25040450000c.html