◇大津のNPO法人作製
成年後見を行って高齢者や障害者の権利擁護に取り組むNPO法人「あさがお」(大津市浜大津3)は、家族など一般の人が安心して後見人として活動できるよう、ハンドブックを作製した。制度の説明や、家裁への申し立てから後見開始までの実際の流れ、財産管理の方針などを解説する内容。「本人の自己実現を支える」という考え方を強調している。【森田真潮】
成年後見は認知症や知的障害などで判断能力が不十分な状態の人を、第三者を後見人と定めて支える制度。後見人は財産管理や生活に必要な判断を本人に代わって行う。00年に始まり、徐々に利用が広がっている。あさがおは05年設立。元看護師や介護支援専門員、精神保健福祉士の4人が相談員として活動し、現在、法人として86人の後見人を務めている。
ハンドブックでは、「成年後見制度の支援は(中略)『その人らしい生活を実現』すること」として、後見人は本人の自己決定を支え、意思を代弁する立場だと強調。財産管理についても、より多く残すだけでなく、本人のために有効活用する視点が求められているとし、例えば本人が「琵琶湖を一周したい」と言い出した時、後見人の価値判断のみで「経費がもったいない」などと否定してはならないと示している。
ハンドブック作製を監修した社会福祉士の佐藤伸隆・滋賀短大講師は「細かくなりすぎないように、持ち歩ける分量で概要が伝わるように作った。後見人になる家族の方にも参考にしてもらい、本人の意思決定を尊重する後見人と被後見人の関係を作ってもらえれば」と話している。
1冊500円。問い合わせは、あさがお(077・522・0799)。
【関連ニュース番号:0808/118、08年8月20日;0706/9307年6月24日など】
(3月11日付け毎日新聞・電子版)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20090311ddlk25100478000c.html