【写真】対策工の方針について嘉田知事(左)から説明を受ける地元住民ら(栗東市小野・北尾団地自治会館)
栗東市のRDエンジニアリングの産廃処分場問題に関する滋賀県の住民説明会が5月28日、処分場に隣接する北尾団地自治会で始まった。嘉田由紀子知事が、処分場浄化と廃棄物の部分撤去の併用案を対策工法とする方針について理解を求めたが、有害物の全量撤去案を支持してきた住民から反発が相次いだ。
嘉田知事は住民約40人に対し、併用案を採用した理由を「安定型処分場の廃止基準を満たすまで浄化できる。県民に納得してもらえる合理的な対策だ」と説明した。
これに対し、住民からは全量撤去案の採用を求める声が続出。知事が、全量撤去した場合に工期が長期化し、騒音や悪臭などの被害が出ると指摘したのに対しては「この先数十年の安全が確保できるなら我慢する」と訴えたほか、「県の対策委員会が全量撤去案を推奨したことを無視するのか」との反発も聞かれた。
話し合いは平行線をたどり、嘉田知事は「きょうはみなさんの納得を得られなかった」として、後日あらためて説明に訪れる意向を伝えた。住民説明会は6月上旬までに、処分場周辺のほかの自治会でも行われる予定。
■RD社と元社長に措置命令 滋賀県
栗東市のRD産廃処分場問題で、滋賀県は5月28日、RDエンジニアリングと同社破産時の元社長に対し、処分場内の廃棄物による地下水汚染や悪臭発生を防止する措置命令を発令した。
同社が破産していることなどから措置命令が履行される見込みはないといい、期限内に着手がなかった段階で、県は環境保全の対策工法を代執行する手続きをとる。
措置命令は、安定型最終処分場の許可品目以外の廃棄物を埋め立てたり、廃棄物の飛散流出対策が不十分だったことから周辺の生活環境に支障が生じる恐れがあるとして、改善を求めた。着手期限は7月28日。
県は同日、同処分場の産廃処理施設許可を取り消した。
【関連ニュース番号:0805/157、5月28日;0805/84、5月17日など】
(5月29日付け京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008052800201&genre=A2&area=S00