
「おせち」とは本来、暦上の節句(節供)のことを指します。その節句に作られる料理をおせち料理と呼んだのですが、現在では節句の一番目にあたる正月の料理を表す言葉として使われているそうです。
うちではお重にはつくらないおせちも、めでたさを重ねるという意味で縁起をかつぐためにお重に入れるのだそうです。本来は四段重が正式。しかし地方や家風によって、五段重が基本の場合もありますし、最近は大家族でなくなり簡便に三段重のところが増えています。 では各お重に何を入れるのか?
三段重を例にとって詳しく説明しましょう。一の重は「祝い肴(ざかな)」「口取り」です。お屠蘇をくみかわす時に祝う肴を盛り合わせます。黒豆、栗きんとん、昆布巻き、伊達巻、田作り(ごまめ)、かまぼこ、などがそれにあたります。また、お酒が飲めない子供たちのための甘い料理が中心になります。
二の重は「酢の物」「焼き物」です。酢の物を盛るのが正式な詰め方で、現在は、おせちのなかでもごちそうとされる焼き物も盛るようになりました。なます、酢だこ、数の子、酢れんこん、なると巻き、ぶり・鮭の焼き物、たたきごぼう(酢ごぼう)などを盛ります。
三の重は:「煮物」です。おせち料理は、季節の野菜の煮しめがその始まりと言われています。三の重には、筑前煮、野菜の煮しめなど季節のおいしい野菜をふんだんに使った煮物を盛ります。
おせちには、祝い肴三種というものが欠かせないようです。祝い肴と餅を揃えれば最低限の正月の祝いができるといわれています。逆に、どんなに贅沢な料理を揃えても、祝い肴がないと正月の祝い膳の体裁が整わないそうで、「三つ肴」「三種肴」とも言われています。関東では、数の子、黒豆、田作り(ごまめ)だそうですが、私の住んでる酒田ではこの祝い肴三種は何に当たるんでしょうか?
このおせち料理、いつも料理を作ってくれる女性が、お正月だけはゆっくりできるようにと多く作ります。そう言えば、うちの奥様もたまには上げ膳据え膳の生活がしたいと言っておりました…。みなさんの家庭はいかがですか?。