徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

建築家のお仕事-1

2011-05-25 08:51:02 | 建築つれづれ…
 ここ5年の間に家を建てたいと思ってる人にアンケートを取った結果がある。「住宅を建てるのに誰に依頼しますか」という質問。言わば、家づくりのパートナーを誰に決めるかということ。上記の質問に対しての回答は、ハウスメーカー40%、地元工務店20%、建築家・設計事務所10%、その他・無回答30%という結果になっていた。これは全国規模のアンケートである。

 これを私の活動している酒田に当てはめれば、地元工務店の比率がもっと高く、建築家・設計事務所の割合がもっと少なくることは間違いない。ハウスメーカーはモデルハウスを持っているし、工務店は内覧会を常に開いているのでアプローチしやすいのだろう。

 建築家・設計事務所は住宅を設計しないんでしょ。建築家・設計事務所の人達はカタブツが多い。建築家・設計事務所に頼むと余計なお金がかかる。これ、一般の人からよく聞く言葉である。そして何よりも、住宅は昔から大工さんにお願いするものだという風潮が根強いのも事実。

 ハウスメーカーや工務店が取っている、設計と施工が一緒になっている設計施工システムでは本当の意味での競争原理が働きません。設計施工では住宅の本当の価格が不透明なままですし、そこに施工会社の私利私欲が介入してきます。

 そういう意味では、建築家・設計事務所は建て主の立場に成り得る唯一のパートナーだと思います。家づくりに対する建て主とのたくさんの議論の中から、建て主にとってベストの選択をして設計を組み立てていきます。

 建築家・設計事務所が描いた設計図を基に、数社見積を取れば、何処が安いか高いか、何が安いか高いか一目瞭然。家づくりを含めた建築は設計が有って初めて施工がある。自社の設計施工システムでは、比較するベースの設計が同じではないので、価格の比較をしようにもできないことになります。

 何十年と住み続け、数千万という投資をする自邸に、もっと設計段階でこだわって家づくりを考えてもいいのではないでしょうか
コメント
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