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徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

再・建築家の流儀-1

2019-01-11 08:04:40 | 建築家との家づくりの流れ
 2019年の年頭に当たり、以前書いたブログより私たちの仕事流儀を説明してみようと思う。

 

 そもそも建築家はハウスメーカーや工務店のように営業担当者がいる訳ではない。であるから、自分で設計をし営業もするそんなスタンス。

 時には自分の設計した住宅や建築が営業マンの役割を担ったりする場合もある。その住宅や建築を見た人達が、誰が設計したのだろうと調べて我々にアプローチしてくる場合がそれにあたる。

 設計事務所の門を叩く人は、口コミ・紹介や実際の建築を見てという人がほとんどであろう。

 そんな状況で知り合ったクライアント候補の方と最初に行うのはヒアリング。敷地の場所、敷地特性、要望事項や、そして雑談。様々な会話の中から設計に関するヒント、キーワードを探していくのである。

 私は大体ヒアリングは2時間ぐらいだろうか。1日かけてこのヒアリングを行う建築家もいる。

 そんなヒントやキーワードを携えて敷地調査を行う。敷地からは色んな条件を吸収。敷地の大きさ、形状、方位、周辺環境、道路状況、電気・ガス・給排水のインフラ情報…。

 ヒアリングと敷地からのヒント、キーワードを集めて設計・提案はスタートする。

 ファーストプレゼンまでの期間は様々だが、私の場合、2~3週間といったところ。そしてクライアントとのファーストプレゼン。

 このファーストプレゼンで、クライアントの気持ちを鷲掴みにする提案ができなかったら、私の負けである…。


 ~つづく~
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建築家の流儀-6

2016-02-16 09:32:01 | 建築家との家づくりの流れ
 工事契約交わすと新築の場合地鎮祭を行う。地鎮祭はその土地に住む神様をを鎮め、土地を利用させてもらうことの許しを得る儀式。工事の安全を祈願する意味合いでも有り安全祈願祭とも言う。

 地鎮祭が済むと建物の位置出しから工事がスタート。基礎工事、木工事と進んで行く。

 

 工事中もクライアント(建て主)との打ち合わせは続く。工事の進捗状況や材料の発注に伴う決め事を打ち合わせて行く。クライアントからの設計内容にの変更要望についてもこの場で協議して行く。

 そう、設計期間が終わり工事に移行したからといっても変更は完成するまで付いて来る。クライアントの意向に従って変更内容を協議するが、その際、変更した場合の金額も併せて提示する。

 金額の提示をし了承を得てから変更工事を行うのが我々の流儀。変更金額の大小によって、やるやらないの判断になるからだ。

 これをやらないのが町の工務店や大工さん。皆がそうだとは言わないが、金額を提示せずにやって後からトラブルになることを何度か見てきた。クライアントへの情報開示と意思疎通は大切なファクターである。

 もちろん工事期間中に工事の内容が設計内容に合致しているかもチェックする。法的にOKか、クライアントの要望に合致しているか、そんな目でチェックしていく。工事が始まってからも建築家(設計者)のやることは結構多い。

 このような作業を繰り返し家は完成する。工事に約5~6ヶ月。設計を始めてから1年越しの大プロジェクトである。

 ここで気になるのが設計料と言われるもの。世間の相場は工事費の10%と言われるが、私の場合は6~8%ぐらいが多い。

 工事費が少なければ設計料率はUPするし、工事費が大きければ設計料率は下る。設計料率が高いときは15~20%になるときも…。

 ここまで説明してきた我々建築家の役割、仕事ぶりをご理解いただけただろうか。家づくりの始まりは建築家との出会いから…。


 ~おわり~

 
 
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建築家の流儀-5

2016-02-12 08:51:23 | 建築家との家づくりの流れ
 さて、今まで設計作業の流れを書いて来たが、ここで少し消費税の話をしてみよう。

 予定では来年2017年の4月に消費税が10%ととなる。家を建てることは長い時間を要する訳であるが、来年の4月までに家が完成していれば、今現在の消費税8%で済むことは勿論のこと。

 

 家づくりは設計で5~6ヶ月、工事でも5~6ヶ月必要なので、設計を始めてから完成まで1年の歳月を要する。ということは…逆算すると今年の4月から家づくりに取り掛かれば来年の3月には完成できることとなる。

 そんなにうかうかしていられない…。

 そして住宅の場合、消費増税の経過措置というものもある。来年の3月までに工事が終わらなくても、今年の9月中に工事契約を交わしてしまえば、完成が来年の4月以降でも消費税は8%のままというルール。これが経過措置。

 そうなると、ハウスメーカーや設計施工の工務店が契約を早くしましょうと営業をかけてくることは必至。しかし、こだわりの家を建てたいのであれば、この口車に乗ることは避けたいもの。

 何も中身が決まっていない薄っぺらな状態で契約をしてしまうのは危険。工事が始まってから、契約内容にあれは入ってない、これも入っていないと追加工事の山になり、終わってみれば追加で何百万も請求書が来るということになる。

 ちょっと騙された感情が残ってしまう。2%のUP分に目がくらんで、数百万損した…とはなって欲しくない。やはりキチンと設計の内容をつめることはやらないといけないのだ。

 とすると…設計に5~6ヶ月必要なので、家づくりを考えてる人は結局、今年の4月ぐらいから設計に取り掛からなくてはならないということである。

 以前の消費増税のときのように、駆け込み需要がまた来ると思っていて間違いない。そろそろ家を建てる・建てようと思ってる人は、雪解けと同時に重かった腰を上げる必要があるというのが結論…。


 ~つづく~
 
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建築家の流儀-4

2016-02-09 08:49:26 | 建築家との家づくりの流れ
 ハウスメーカーや設計施工一貫の工務店などに家づくりを依頼すると、他社との比較はできるがその比較が比較にならないのだ。そもそも設計施工の場合、各社が思い描いた計画図面での見積となる為、金額だけでの判断にはならないからである。

 案と金額、施工業者の腕前等々から比較しなければならない。そうなると比較のファクターが多くなり明白に比較をすることが困難。いい案だと思っても、他社が同じ案で安くできるかもしれない…。

 

 建築家に依頼すれば、半年かけて打合せしてきた理想の一案で見積が出てくる。そうなれば比較のファクターは金額のみ。単純明快。建築家が推薦した施工業者であれば腕前は間違いない。

 数社からの見積が提出されると、査定という作業に入る。見積書の内容(数量、金額)が適正かどうかをチェックするのである。

 私の場合、提出された全ての見積書を査定することは無く、提出された中で一番安かった見積書を査定することにしている。

 この査定という作業、一般の人にはまずできない。一般の人が材料の一つ一つが高いか安いか判断するのは不可能だからだ。我々は今までやって来たデータがあるので、数量や金額の比較が可能。材料一枚からチェックする。

 査定が済んだ時には、建物のグレードを落さず数百万円金額が下ることも多々。あとは安い見積書を提示した施工業者とネゴ交渉。

 ネゴ交渉した金額でも予算オーバーであることが多いので、ここからは減額案の提示と採否の判断をクライアントと協議に入る。協議の結果、金額が合意に達すれば工事契約となる訳だ。

 ここまでくれば設計作業はほぼ終了。約半年の年月をかけた設計から、後は工事の着工を待つばかりとなる。頭いい方はもうお気づきだろう…来年4月に消費税が10%になる予定である。もう一年後である…。

   
 ~つづく~

 
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建築家の流儀-3

2016-02-04 08:44:18 | 建築家との家づくりの流れ
 基本設計終了時に概算工事費も算出し提示する。概算金額が予算と開きがある場合は、一部規模縮小、部分的な計画の変更・調整等を行いクライアントの予算に近づける作業を行う。

 計画内容、概算金額共にクライアントの承諾が出ると実施設計(詳細設計)へと移行する。

 

 実施設計は計画の細部を決めていく過程。造作家具の詳細、冷暖房器具の納まり、各種スイッチ・コンセント類の位置の決定等、クライアント、他のセクション、メーカー等との打合せと図面を作図していく作業が続く。

 この実施設計は私の場合大体2ヶ月。

 図面が揃うと施工会社を決める為見積依頼をする。依頼する施工会社は、クライアントの意向があればその施工会社に依頼。無ければ、私が選択した3~4社に依頼をかける。

 さて、設計者を決定してから提案(≒1ヶ月)、基本設計(≒2ヶ月)、実施設計(≒2ヶ月)と進んできた訳だが、ここまでおおよそ5ヶ月が過ぎている。

 設計作業とは1~2ヶ月程度でできる代物ではないということを認識してもらいたい。できるところもあるようだが、それは何も考えていない、考えようとしていない型(パターン)にはめ込むやり方。

 我々建築家の作法としては、型にはめ込むようなやり方は御法度である。それは大量生産の会社や、設計は単なるパズルと思ってる会社にやってもらえばいいと思っている…。

 
 ~つづく~

 

 
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