体育系・文化系

　　雪後曇り。

　いよいよ年末と相成った。毎年恒例の一年の反省だが、別にない。例年通り過ごし、例年通り生きているだけ。アホな仕事のお陰で予定していた工程通りに作業が進まないことが気に食わない。心残りはそれだけか。

　松井選手がとうとう引退した。日本に帰ってまた一稼ぎなんてダサい真似はせず、潔く一線を退くその姿は清清しい。本物だったということなのだろう。野球は見ないし、よく分からないが、この引き際はカッコ良かった。

　年間を振り返るとやっぱり今年はロンドンオリンピックの影響でスポーツ選手が脚光を浴び続けた一年だった。日本はとかくスポ魂ではないがスポーツをやっていたかどうかで評価を決めるという異様な風潮にあるため、文化系はどうしても弱い。絵画でどうとかいう話は全く聞かない、情けない状況。もっとも、今のいわゆる「アート界」を見ていれば、話題にならないのも無理はないと思ってしまうほどの狭い世界。異様なほどの専門家で、「下々の方々に私の作品を理解することなんて出来ない」的な雰囲気が漂う。視野が狭く、そこしか見ないのでつまらないということにも気付かないのだ。そもそも大学でそういう思想を教えていることが間違いである。絵でも彫刻でものびのび製作（ある程度の技術は必要だが…）した方が響くものが造れるであろう。

　と、思ってしまうがどうなのだろうか。ちなみに私はただ絵を描き、バイクに飛び乗って駆けずり回り、本を読み、コレクションを眺めてにやけていられれば幸せですね。