地球族日記

ものかきサーファー浅倉彩の日記

[本]今こそマルクスを読み返す

2008年12月24日 | 読み聞き日記
マルクスといえば、
自由競争・個人主義がベースの資本主義の対比的な存在として認識される
共産主義の父というイメージ。

共産主義は、平等な共同体がベースで、
成果に対する報酬がないため競争や技術の進歩が進まず、
それゆえソ連は崩壊したというイメージが定着している。

が、そもそもマルクスは経済システム学者ではなく、思想家。
よってマルクスを理解しようとする時には、

まず人間観と自然観、ひいては社会観、そこからくる社会構造の解釈の上に
政治、経済、文化、などの分野とそれらどうしの相互関係がある、

という前提に立たなければならない。

共産主義経済が成長しなかったというのは、
マルクスの思想をスターリンが解釈し、彼が政治を司った時代の結果であり、
それをもってマルクスが間違っていたと判断されるのは
あまりにも早計だという前提でこの本に取りかかった方がいい。

まだ途中までしか読んでいないが、

マルクスの人間観はこう。
人は生きるために生産しなければならない存在であり、生産は前世代の人々も含む他者との協力が不可欠である。
だから、人間はその存在に労働と他者との相互関係を内包している。

当たり前に聞こえるけれど、それまでの西洋的な思想では、
社会ありきの人間か、人間ありきの社会か、という二つの対立する思想しかなかった中で、
新しい考え方だった。

そして、この人間観が、すべての基礎となる。

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