地球族日記

ものかきサーファー浅倉彩の日記

半東京。農ライフ vol.3

2009年04月03日 | 自分日記
4月3日。
今日、フリーランスになって初めて、
編集・取材・執筆をした
記事の見本誌が届いた。

リクルート刊 「ほしいリゾート」5月号の
「伊豆・熱海に暮らし楽しみ」という5ページの企画と
「建築会社とつくる別荘づくりの基礎知識」という3ページの企画。

タイトル横のクレジットに親からもらった名前が入ってることが、
思いの外、うれしいです。
3冊買って、実家と両方のおじいちゃんおばあちゃんの家に
送ろうかなw

自分がディレクター役として動かした記事が
雑誌に載るっていうこと自体は、3年4カ月のリクルート時代で
毎月経験したことなのだけど、
編集部に所属して、会社員として、編集者をやっていたときは、
自分の名前は出なかったんです。
活躍するのはライターさんやカメラマンさん、
イラストレーターさん・デザイナーさんであり、
編集者はあくまでも、その舞台を用意してお膳立てする黒子だからね。
だから、名前を出したくてしょうがなかったわけじゃないんだけどね。

読者が読みたくなる構成やキャッチコピーを考えあぐねたり、
地道に資料集めて読んだり、編集部からの度重なる赤字をミスの
ないように確実に責了紙に反映したり、そのたびにデザイナーさんや
イラストレーターさんとやりとりしたり、レイアウトやビジュアルが
これでいいのか悩んだりしたたくさんの小さなハタラキが、
私のものだってことが活字で証明されたみたいで、
いざ載ってみると、えもいわれぬうれしさです。

いすみ市岬町のだーれもいない深夜のマクドナルドで徹夜したかいが
ありました。
ここブラウンズフィールドの、朝の家事が始まる6時半までには
帰ろうと思っていたのに、結局終わらなくて、
肩身のせまい思いをしながら電話したのが、寝不足よりも
つらかった。

メディアビジネスにつきものの不規則不摂生なイメージと、
マクロビオティックなりスローライフなりロハスなりの健康志向のイメージ。

あふれかえる情報と刺激にさらされ、ストッキングとハイヒールで足を、電子音と雑踏で脳みそを麻痺させながらトランス状態で一直線に乗り切る東京生活と、

情報や刺激からは隔離され、雲や木立、虫、犬、人、土、食べ物、、、鼓動してゆらぐ命の曲線に囲まれ、見つめあい、淡々と日々の営みを歓ぶ農ライフ

どっちがいい、なんて、ない。
どっちもいい。
自分だけのバランスを見つけることが、心地いい。

願い事はひとつ。
同じバランスを楽しめる仲間なりパートナーが
そばにいてくれること。


半東京。農ライフ vol.2

2009年04月02日 | 自分日記
3月30日
ちょっとさかのぼりますが、
今週の月曜日に「ニンジンから宇宙へ」という本を書いた
有機農業家 赤峰勝人さんの講演会に行ってきました。

元高樹沙耶の益戸育江さんがパートナーと運営する
ギャラリー風流で開催されたお話会です。

菜の花の黄色と、早春の碧い海のコントラストを横目に、
元牛飼いの兄貴のトークを聞きながら、
元一流IT企業総合職OLの親友から拉致りっぱなしのカルディナを
すいすい(?)走らせ、南房総・白浜へ。

地域通貨「AWAマネー」のメーリングリストと口コミだけの
告知だったにもかかわらず、40人ぐらい人が集まっていて、
盛況の様子でした。

安房マネーを動かしているHさんや
半農半マクロビオティック編集者のYさんなどなど、
房総オーガニックコミュニティのキーパーソンともいえる
人々の姿も。


いや~勉強になりました。

まず、有機農業、農「業」というからには、
売り上げを上げ、利益を出すことを目指した
事業戦略や売上げ・コスト管理があってしかるべきで、

社会悪・庶民の健康の敵のようにとらえられがちな
農薬も化学肥料も、農家さんの事業戦略の一部
なんだということ。

生業として成立するためには、
収量・見栄え・味・安全性のすべての面で
水準をクリアすることが至上命題。

だから赤峰さんも、就農当初から有機を志したわけではなかったそうです。

限られた土地でなるべくたくさん収穫するために、
そしてそれを少しでも高く売るために、
農薬と化学肥料ガンガンの農業をしていたら、
だんだん収穫量が落ちてしまったことが、
無農薬を目指し始めたきっかけなんだって。

昭和45年に無農薬を目指して12年後にすべての畑を無農薬で、
水準を満たす味・見栄えの野菜を収穫できたそう。

その間に、実験と研究を積み重ねて醸成された赤峰哲学によれば、
慣行農法では除草剤で取り除かれる雑草が、神草。
害虫として嫌われる虫は、野菜を苦くする発ガン性物質 亜硝酸態窒素を
含む野菜を食べてくれる、神虫。

草と土の分析を専門とする大学教授に何度も土のサンプルを送り、
草の種類や生え方と土の質との相関関係を研究したことで、
生えている草で土がどんな状態かを見極められるようになった。

そして、生えている草を畑から持ち出さなければ、
その草が成長し、種を付け枯れて土に還る過程で、土壌改良をしてくれるんだとか。

カルシウム欠乏の土には、ペプチン酸カルシウムを含むスギナや
ケイ酸カルシウムを多く含む竹、ススキが生え、放っておけば年々小さくなって
いつしかハコベやナズナ・カラスノエンドウが生えだしたら、
カルシウムが補充されて何でもできる土になったサインなんだって。




へーーー、、、深い。と思ってしまった。

農業って、単に土に肥料を混ぜたり耕したり、
種を蒔いたり添え木を立てたり収穫したりすることの奥にある、
自然の摂理にリンクする行いなんだな~。

そして、その忍耐力に頭が下がりました。
だって、例えばスギナが放っておけば年々小さくなってそのうち生えなくなるっていったって、
その間は何も収穫できない、もしくは収量が落ちるわけで、
どうしたって竹もススキも刈り取って耕して肥料を入れて、
作物を育てたくなるのが人情ってもんでしょ!?

仮定の実証に1年かかる実験の繰り返し。
しかもそれが、自分のお財布事情に直に響いてくる。
さらには、台風ですべてがおじゃんになるかもしれないリスク付き。


やってる人、すごいです。
そして骨太かつスマートでカッコいいです。
尊敬です。

私もやってみたい!
小心者なので、半農半Xの方向で。

ひとまず、ここブラウンズフィールドの畑を盛り上げて、
ライステラスカフェの食材の何割かはまかなってる、って
胸を張って言えるようにしたいな~。

その前に、
イネの芽がまだ出ない。。。
米づくり、田植えなんてゴールです。
それまでがめちゃ大変!

5月6日の田植えイベントを、無事迎えられますように、、、



半東京。農ライフ vol.1

2009年04月02日 | 自分日記
4月2日
今日は朝から雨。
目覚めは、屋根を打つ雨音とともにやってきた。



農ライフでは、雨の意味が、都会とは違うような気がする。
雨だと、雨水タンクに水がたくさんたまる。
雨の後は、しいたけがよく獲れる。
雨だから、ビニールハウスでできる作業をWWOOFerさんにお願いしないといけない。
雨の時は、浄化槽のそうじはなし。

どっちにしても、やっぱり雨は嫌い。
なんでかって、何するにせよ気分が乗らないから。
それは東京生活と変わらない。

でもひとつだけ、いいことがある。
それは、雨上がりの景色の美しさ。
枝にも軒にも洗濯ロープにも田んぼのわきのおだがけにも
小さなしずくがびっしりついて、
それが朝日でキラキラに光る様子は、まるで神様のアート。
ただの雨粒に夢中でシャッターを切りまくる私は
ちょっと危ない感じだけど、
そんな私をさかさまにつるんと映すしずくがまた、風情なのです。

雨上がりは気分も爽快!
今日は、5月末のナチュラルライフマーケットの事務作業と
これまた5月末発売の雑誌の取材先手配やら構成の再検討やら
そろそろ原稿書き始めなくちゃとか、
ホームページのリニューアルの要件整理をしなくちゃとか、
それなりにバタバタしてます。

そんな中、プチ野草ツアー。もちろんランチは野草の天ぷらフルコース。
ゆきのした、みつば、ふき、よめな、せり、すぎな、どくだみ
食べられる草が、勝手に生えてるわけで。
摘んで土を払えばそれで済むわけで。
しかもただ。究極の地産地消ファーストフードです。
野菜も勝手に生えてきてくれたらいいのに、と思わずにいられません。

東京だったら、(と何かにつけて元都会人ぶった考えが浮かぶ私w)
排気ガスとか、もしかしたらタバコ、とか、
何やらよく分からない都会の分泌物をいっぱい浴びていそうな
道ばたの草、食べたいと思わないけどさ。

そういうこと気にせず、
そのへんに生えてる草を口に入れられるって、
すごく贅沢なことのような気がします。