地球族日記

ものかきサーファー浅倉彩の日記

半東京。農ライフvol.11 夏のはたけ

2009年08月01日 | お仕事日記
夏です。
暑いです。
暑いと、体毛の成長スピードが格段にアップするのは、
私だけ?

毎回毎回、
「え?つい最近お手入れしたのにもうボーボー」なんて。
医学的根拠はありませんが、畑の野菜たちを見ていると、
そりゃ人間の毛だってぐんぐん伸びて当たり前だと、
妙に納得しています。

というのも、7月に入ってからの植物たちの動きは、
まるで動物。
生命力が炸裂のご様子です。

夕方にボールペンサイズだったキュウリは、
翌日にはヘチマサイズ。
6月じゅう、葉っぱが赤ちゃんの手のひらほどしかなく、
背丈はマッチ箱。
「もうダメなんじゃない?」と何度も
抜かれそうになっていたオクラが
奇跡の急成長を遂げ、
今では毎日実をつけています。

それ以外にも、ミニトマト、ピーマン、
なす、ズッキーニ、ゴーヤ、いんげん、
かぼちゃ、枝豆、ごぼう、空心菜など、
たくさんの野菜が、
ありあまるお日様の光をめいっぱい取り入れようと、
葉を茂らせ、花を咲かせ、
体じゅうで夏を謳っています。

彼らはすべて、風が吹けば手のひらから
こぼれおちていくほど軽い、小さな種でした。
固く乾いていて、命の匂いのしない
砂粒のような存在でした。

人間は、袋から出して適度な間隔で土に蒔き、
見守っただけ。太陽と雨、大地と風が
魔法をかけたとしか思えない変身は、
感動的です。

そして、
畑に立って野菜たちを眺めていると、
「太古の昔から、この魔法のおかげで
人類が生命をつなぎ、その結果として、
私はここに立っているんだ!」と、
何やら得体の知れないヨロコビが
わいてくるのでした。