地球族日記

ものかきサーファー浅倉彩の日記

地域で働くとかキャリアとかについての考察

2018年03月30日 | お仕事日記
都会は、みんな、はやすぎる。
田舎は、みんな、ゆっくりすぎる。
ちょうどいいところに居場所を見つけられると、幸せなんだと思う。
わたしは、東京のびゅんびゅんな最先端も気になるし、田舎、つまり開発されていない自然が多く残っている、地面がコンクリートでない部分が多くて、朝日が登り夕日が沈む自然のリズムがかき消されていない場所にいる時間もかなり必要。
だから、両方をブレンドして、ベストミックスを見つけたら東京と沖縄の二拠点になった、という感じです。最近そこに鎌倉も加えてみました。

そんな中、今手がけている仕事のために、成功する地域への転職や移住ってどんなものか?ということを考えていたら、「ローカルでの仕事はキャリアになるのか?」という超東京目線ながらど真ん中なテーマのイベントがあったので、行ってみた。

そこから、「ていうかそもそもキャリアって何だっけ?」を考え始めた。「キャリア」を「プロフィールに書けそうなこと」とか「能力」と言い換え思いつくままに書き出してみますと。

ブランド学歴
ブランド社歴
仕事をたくさんとってきたことがある。
たくさんの人がかかわるプロジェクトを立ち上げた。
海外に進出した。
マネジメントした。
社内でMVPに輝いた。
儲かるしくみを考える力がある。
何かしらの技術がある。
新しい技術やアイデアをいち早く取り入れる。
事務処理能力がはやい
脳の情報処理がはやい。
持っている情報量が多い。
いろんな人をたくさん知っている。
意思決定者との距離が近い。
その道のトップランナーを知っている。
有名な話題のプロジェクトにかかわった。
本を出した。
省庁と仕事した。
肩書きがなんとか長でそのあと、なんとか長になった。

「ローカルでの仕事はキャリアになるのか?」が、「これらがすべて、地方でもできるのか?得られるのか?」という問いなのだとすれば、できる人はできるしできない人はできないとしか言いようがないと思う。
そう思いつつ、そもそも、これらができるかできないかを成功するU・Iターンの軸にしようとする時点で、論点がずれているのではないかと思った。(問いの立て方、大事)

注目すべきは、キャリアじゃなくて、からだのリズムなんだと思うんだけど。

ひとりひとりが持っている体内時計に近いペースでまわる生活や社会が本人にとってもその社会にとっても幸せなわけで。はやすぎても遅過ぎても噛み合わない。
双方のメリットを考えるのであれば、「都会のペースに合わせることも能力的にできるからやってるけど、決して心地いいわけじゃない」みたいな人が地方に移住すると、お互い幸せで、仕事でもいい成果が出るんじゃないかと思う。

この「ペース問題」は、人がしゃべるスピードに注目してきた私の、ひとつの視点。
例えばリクルート(わたくしのブランド社歴w)の人は、とにかくしゃべるのがはやいし声も大きい。関西の人も多いから、ラテンの乗りがあり、ユーモアも交えた話術がほんとすごい。相乗効果でどんどんはやく大きくなっていく感じ。

すごい!って感じで面白かったけど、そういう人ばかりがひしめきあっている場は、いるだけでけっこう疲れた。わたしはひとりでじっくりいちいち立ち止まって考えたいのに、それができないから。でも、当時はなんか意地があって「仕事ができるわたし」でいたかったわたしは、無理をしてそこにいた。

若い時分の3年半ぐらいはなんとかなったし、すごいスピードで仕事を覚えさせてもらえたからあの3年半があって本当によかったけど、とにかく「速いの辛い」だったのです。

一方で、沖縄の家族のように愛する親友は、ゆっくりすぎる(笑)おーーっと今沈黙してたんじゃなくて考えてたんだ!っていう間とかが半端なく長い。ホッとはするけど、覚悟を決めてチャンネルを合わせないと、けっこうイライラしてしまう。「ゆっくりも辛い」笑

突然話は飛ぶけど、砂浜で、ヤドカリを集めて、指で砂に道をつくってそこにヤドカリを投入すると、つくった道を我先にと競争し始めるグループが多数派ながら、「は?付き合ってられんわ」って感じでハナから道がないところに迷いなく、速攻で脱線する個体が2割ぐらいいます。

移住する人って、どこかそういう気質を持ち合わせていて、能動的に自分が心地よい場所を探せる主体性があって、キャリアとかいうバズワードにあまり頓着しない人たちなんじゃないかという仮説。

とはいえ、それだと仕事的には答えにならないのでー。

ローカルでキャリアが積めるかという問いが、身も蓋もなく言えば「都落ちじゃないU・Iターンはあるのか」という問いなのだとすれば、上に記した、現状「キャリア」から連想される実績に相当するリストの中に、ローカルでの就業経験(それも3年ぐらい)が入るぐらいの、広く人口に膾炙する意識改革が必要ですよね。むしろ「東京だけなんてダサい」が普通になる、みたいな。

そのためには、地道にローカルをフィールドにして成功して幸せに暮らしてる人を立てていくしかないのかな。(ここで、現在の仕事の意義が腹落ち)

それか、ずっと前に、兵役みたいな感じで農役を導入したら食料自給率上がるんじゃないかとか真面目に思っていたことがあるけれど、人生のうちの何年間かを、国民の義務としてローカルで従事することに決めるとか。