一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

麗しき上川香織女流二段との指導対局(前編)

2024-03-26 23:11:49 | LPSA麹町サロンin DIS
14日のLPSA麹町サロンin DIS第2部は島井咲緒里女流二段担当で、私は事前に予約をしていた。
ところが前日に急遽14日の予定が入り、島井女流二段の回をキャンセルすることになった。前日なので、キャンセル料が発生し、2,500円となる。以前も同様の案件でキャンセルしたことがあったが、そのときも島井女流二段だった気がする。私は島井ちゃんとは縁がないのか。
そして21日の第1部は上川香織女流二段の担当で、こちらもほぼ同じ時期に申し込んでいた。こちらは順当に指導対局を受けられ、当日は早めに家を出たが、多慶屋やOKスーパーに寄るなどして、時間調整をした。
小諸そばには寄らず、麹町のサロンに入ったのは午後3時25分だった。先客は2名いたが、将棋盤はなぜか中盤戦になっていた。
「遅かったですね」と上川女流二段が言う。
「?」私は怪訝に思ったが、よく考えたら、第1部は15時から17時までだった。私は勘違いして、30分遅れで入ったのだ。
「大沢さんが来るのがあんまり遅いから、本部に連絡を入れようと思ったのよ」
と上川女流二段。「2部が18時30分からだから、それと間違えたんじゃないの?」
まさにその通りで、完全に勘違いしていた。
私は気を取り直し、上川女流二段に7.000円を渡す。指導料4,500円(ファンクラブ料金)に、キャンセル料2,500円である。前も上川女流二段にこの額を渡した気がする。
「なにこれ?」
「いや先週キャンセルしちゃったから、そのキャンセル料込みです」
「ああ、そうなんだ。私へのお小遣いかと思った」
「ちげーよ」
「プッ、大沢さんもそんなこと言うのね」
ということで、早速指導対局である。上川女流二段は平手でも下手先手でなく、振り駒を望む。私は上位の上川女流二段に振っていただき、歩が4枚出たので、私が後手になった。マジか……。
ともあれ対局開始である。

初手からの指し手。△3四歩▲7六歩△4四歩▲2六歩△3二飛▲4八銀△6二玉▲6八玉△7二玉▲7八玉△4二銀▲6八銀△5二金左▲2五歩△3三角▲5六歩△8二玉(第1図)

上川女流二段は振り飛車党なのでどこに振るかと見ていたら、三間に振った。「マイブームなのよね」と上川女流二段がつぶやく。先々週の中倉彰子女流二段と同じく、後手番でも三間飛車か……と思ったが、今回上川女流二段は先手だった。なお記譜表記は、あくまでも上手の上川女流二段を「△」とする。
私は上川女流二段の石田流を望み、▲2五歩や▲5六歩、右金の動きを保留していたが、上川女流二段は石田流派ではない。それで、▲2五歩を決めた。
△8二玉と寄りながら、「急戦らしいですね」と上川女流二段がつぶやく。私はまだ▲3六歩を指していないが、これでは期待通り、急戦策を採らざるを得なくなってしまった。

第1図以下の指し手。▲5八金右△7二銀▲3六歩△5四歩▲4六歩△9四歩▲5七銀左△6四歩▲3七桂△2二飛(第2図)

きょうは3面指し。私が予約した時点で満席になったから、一席キャンセルが出た模様だ。
対局者のひとりは上川女流二段の振り飛車に力戦居飛車で挑み、勝勢になっている。彼はスマホに記譜を記録させている。……あれ? 彰子女流二段のときにいたひとにも見えるが、平日にそんな簡単に出席できるものだろうか。という自分も平日にお邪魔しているわけだが。
いまひとりはよく見る常連氏で、たぶん角落ちで挑んでいるのだろう。ともあれこうしてみると、麹町サロンも常連が多いのが分かる。
▲5八金右△7二銀のあと、私は▲3六歩。やはり急戦策を採った。
△9四歩には▲9六歩と受けず、▲5七銀左と態度を明確にする。これで先後逆になった理屈で、このあとの仕掛けで私が有利になる変化も多い。
「すごい昭和の将棋ですね。端歩も受けないし」
いろいろ言葉を挟むのが上川流である。
私は着々と戦闘態勢を整え、次の手は定跡。

第2図以下の指し手。▲5五歩△同歩▲4五歩△4三銀▲4六銀△5六歩▲4四歩△同銀▲4五歩△5三銀▲3三角成△同桂▲8八角(第3図)

私は▲5五歩から開戦。対三間飛車の急戦戦法は、これしか知らないのだ。
△5五同歩以下▲4六銀のとき、△5四銀もある。以下▲5五銀△同銀▲同角に△4三金で、これはこれですこぶる難しい。
上川女流二段は△5六歩と突き、「定跡書(の進行)みたい」とつぶやく。実際そうで、▲8八角にはどうするか。

第3図以下の指し手。△4三金▲4七銀△3九角▲2六飛△8四角成▲3五歩△同歩▲5六銀(第4図)

第3図では本譜の△4三金のほかに、△4二金や、勝浦新手の△4二銀がある。
△4三金に▲3五歩△同歩▲同銀△3四歩に▲4四歩は、中原誠名人著「中原の振り飛車退治」(池田書店)でも紹介されているが、実戦はこうはならず、難しい。黙って▲4七銀がいいと思う。
▲3五歩△同歩に▲5六銀と出て、次の▲3五銀を目指した。

第4図以下の指し手。△5二飛▲3五銀△7四馬▲5七歩△5五歩▲同角△5四銀▲8八角△5五歩▲4七銀△4五桂▲同桂△同銀▲4四歩△4二金(第5図)

右の男性氏は勝勢だったが、終盤でうっちゃり、上川女流二段の勝ち。感想戦もそこそこに、すぐさま第2局が始まった。
上川女流二段は△5二飛と転戦する。いかにも振り飛車らしい動きで、こうやって居飛車は騙されていくのだ。
△7四馬に私は▲5七歩と銀を支えたが、マズかった。ここは▲3四歩と打ち、桂得を確定するべきだった。
なお私に▲9六歩が突いてあると、△7四馬の手で△9五歩▲同歩△9七歩▲同香△9六歩▲同香△7四馬があった。
本譜は△5五歩以下私の▲5六銀が撤退し、△4五桂から、取れそうな桂を捌かれてしまった。
▲4四歩△4二金は利かしたが、つまらぬ展開にしたと思った。

第5図以下の指し手。▲3七桂△5四銀▲2四歩△同歩▲同飛△6五歩▲2三飛成△6四馬▲2六竜△5三金▲3四歩△3二歩(第6図)

▲3七桂は気が利かないが、しょうがない。
▲2四同飛に△6五歩はちょっと意外で、馬はこの筋に利かされているほうがイヤだった。もっとも上川女流二段の読みは別で、馬は6四の筋で働かせたかったようだ。
▲3四歩△3二歩を利かせて、次の手は。

(つづく)
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2 コメント

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Unknown (Tod氏)
2024-03-29 16:39:57
お疲れ様でございます。
3/21麹町サロンお疲れ様でした。
3/21の上川さんは、わたくしTod氏が入ってましたが、早めにキャンセルしましたので3面指しになりましたね。
結構、暇そうで用事があるのです。
前回2/8の麹町サロンの上川さんには、対振り飛車に対して、わたくしも居飛車で(穴熊)対抗して平手で勝たせて頂きました。
前日(2/7上川vs塚田恵梨花 女流名人予選)と、同じような負け方をしたと言ってました。
私事でスミマセン。
これじゃあ…… (一公)
2024-03-31 19:20:44
>Tod氏さん
上川先生の回のキャンセル分は、Tod氏さんが入ってたんですか。お会いしたかったです。
2月に上川先生に勝った話には驚きました。これじゃあ、私が上川先生に勝っても、自慢になりませんね。
上川先生、頑張ってください。

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