一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2023年度の引退者・フリークラス転出者

2024-04-04 19:35:36 | 将棋雑記
2023年度の引退棋士と、フリークラス転出者を記そう。

■引退
青野照市九段
室岡克彦八段(フリークラス規定により)
伊奈祐介七段(フリークラス規定により)

■フリークラス転出者
豊川孝弘七段
近藤正和七段

室岡八段はフリークラス転出の65歳定年により、引退。室岡八段と私は同じ中学で、私の7学年先輩である。数学の粟田先生は室岡八段に教えたことがあるそうで、当時室岡八段は奨励会員だったが、いつも私たちに自慢していた。
室岡八段の殊勲は、1987年8月、神谷広志六段(当時)の連勝記録を「28」で止めたことだ。
また、川上猛七段の順位戦復帰の一番で勝ったことも、個人的には思い出深い。
現在は荒川区で将棋教室を開いているが、私は一度もお邪魔したことがなく、ブログも拝見したことがない。ここが私の不義理なところである。
伊奈七段は、奨励会三段リーグ2回で四段になった初の棋士である(1998年4月)。若手の四段なら順位戦に編入するのが当然で、伊奈七段も2001年5月に編入を決めた。
しかし伊奈七段は2014年、フリークラスに降級してしまう。当時竜王戦は4組だったから、順位戦だけ悪かった感じだ。
もっとも伊奈七段の実力なら再び順位戦に編入できるとフンでいたが、そう甘くはなかった。あっという間に10年が経ち、今回の引退になったものである。通算勝率は5割を上回っているのに、運がなかった。
ただ竜王戦は5組在籍なので、今期は早く残留を決め、残りの期間で4組を目指すしかない。
なお伊奈七段の妹さんは渡辺明九段の奥様で、渡辺九段は義弟にあたる。対戦成績は2勝2敗と、まったくの互角だった。

豊川七段と近藤七段は、順位戦C級2組で降級点が2つになったため、延命措置として転出となった。
ファイター豊川七段は将棋界のお笑い担当で、解説などではオヤジギャグの連発で知られる。NHK杯のそれでは、聞き手の中村桃子女流二段らが軽く受け流し、その対比がシュールだった。
豊川七段は順位戦B級1組まで昇級したが、ついに順位戦から退く。さびしい限りである。
近藤七段は「ゴキゲン中飛車」の開発者である。▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩に△5二飛と指すもので、この指し方自体は古くからあったが、近藤七段は奨励会時代から連載し、息を吹き込んだ。
2002年度には升田幸三賞を受賞。2004年度はものすごい勝ちっぷりで、2003年度の終わりから9連勝。1つ負けたあと12連勝。そこで2連敗したあと、今度は14連勝した。ここまで年度35勝3敗。藤井聡太竜王・名人も真っ青の勝率9割越えだった。
その近藤七段も、フリークラスを選択した。やはりさびしい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする