一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

金曜サロン・藤森奈津子女流三段①

2009-04-25 23:54:05 | LPSA金曜サロン
24日の金曜サロン、夕方担当は藤森奈津子女流三段だった。
藤森女流三段は日本女子プロ将棋協会(LPSA)の理事であり、元祖アイドル棋士である。
今年は年女だそうだ。あの「なっちゃん」が48歳ということはありえないから、今年の8月で36歳、ということになる。
藤森女流三段は昨年3月14日、私が初めてLPSAの金曜サロンにお邪魔したときの指導棋士であった。
そのときの思い出は将棋ペンクラブ最新号に触れているので煩雑は避けるが、なごんだ雰囲気の中にもピンと張りつめた空気があり、独特の緊張感があったのを覚えている。
そのときは例によって角落ちで指導していただいたが、私の緊張も高まっていて、中盤で錯覚から緩手を出してしまった。ここで上手に正着を続けられたら、恐らく私が負けていたと思う。
しかしそこで藤森女流三段が緩めてくれ、私はなんとか勝利を収めることができたのだった。
だからあのときもし藤森女流三段が勝っていたら、私はその後金曜サロンに通い続けていたかどうか。それを考えると、藤森女流三段も蛸島彰子女流五段と同様、私を金曜サロンの常連にした殊勲者といえる。
指導対局中の藤森女流三段は軽口も交え、ほがらかだ。しかし公式戦になると、その表情は険しい。
私は昨年6月に行われたLPSAの公認棋戦である「1DAYトーナメント・とちのきカップ」で、藤森女流三段の対局姿を間近で拝見する機会に恵まれたが、いつもとは違う真剣な表情に、心打たれたものだった。
それから私は、たとえ1DAYトーナメントでも、それが公開対局ならば、スーツを着用して観戦するようになった。
やや話が逸れたが、藤森女流三段の将棋は三間飛車(石田流)一本である。相手の作戦が分かっているのだから、対策は立てやすいと思いきや、やはり指しなれているだけあって、そう簡単に攻略はできない。
優勢になったからこれで一本勝ちだろうと思いきや、意外な粘りをひねり出されたことが多々あり、それで負けた将棋も何局かある。事実24日の将棋も、こちらが圧倒的優勢だったのに、飛車の打ち場所を一路間違えたため泥仕合になり、最終的にはこちらが体力負けした。
藤森女流三段はこのところ公式戦の成績はパッとしないが、かつて中井広恵女流六段に勝ったこともある実力者である。
かつて鹿野圭生女流初段が里見香奈女流初段(当時)に一発入れたように、藤森女流三段にも、1年に1回でいいので、大物食いをしてほしいものである。
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金曜サロン・中倉宏美女流二段①

2009-04-25 01:57:52 | LPSA金曜サロン
24日の金曜サロン、昼は中倉宏美女流二段、夕方は藤森奈津子女流三段の担当だった。
中倉女流二段については、あらためて述べるまでもない。この3年間、NHK杯将棋トーナメントの司会者として、最もテレビに登場した人気棋士である。
中倉女流二段は、金曜サロンではいつも昼の担当なので、私も仕事でお会いできないのだが、そこを無理に時間を作って、サロンに伺ったこともある。先日の「マンデーレッスン」では中倉女流二段がゲストだったが、定員いっぱいの棋客が訪れたという。中倉女流二段の人気ぶりがうかがえるエピソードである。
また中倉女流二段といえば、一昨年の6月、東京・新宿で行われた日本女子プロ将棋協会(LPSA)の発足イベントで、実姉・彰子女流初段とコンビを組んでの、伝説の名司会を思い出す。
あの新宿イベントは、大袈裟にいえば、今後のLPSAを占う大切なイベントだった。なにしろ新宿の通りで一般客相手に将棋をアピールをするのだ。LPSAの関係者が、「大半の客が興味なくその場を立ち去ってしまうのではないか」と懸念したとしても、ちっともおかしくない状況だった。
しかしLPSAのみんなは頑張った。
中倉姉妹も、内心は不安でいっぱいだったと思う。しかしふたりは精一杯の笑顔を振りまき、懸命に総合司会という大役を完遂したのだ。
もしLPSAに中倉女流姉妹がいなかったら、現在のLPSAはなかった、と言っても過言ではないだろう。
そんな中倉宏美女流二段との指導対局である。私の心臓が高鳴らないはずがなかった。
ああ、いいのだろうか。私みたいな男が中倉女流二段に指導対局を仰いでいいのだろうか、と自問する。
そのたびに、まあいいではないか。私にだってこのくらいの小さな幸せがあったっていいではないか、と自答し、中倉女流二段に対峙するのだった。
中倉女流二段は居飛車と振り飛車の対抗形を好む、ケレン味のない指し手が特徴である。ちょっと譬えが変態的で恐縮だが、容姿も指し手も、クリーミーな感じがする。癒される。だからこちらも、落ち着いて対局ができるのだ。
中倉女流二段は女流名人位戦B級リーグのほかに、女流王位戦リーグにも入っており、先日の1回戦では、室田伊緒女流初段との苦しい将棋を逆転勝ちした。中倉女流二段には、タイトルに挑戦する力量がある。ただそれを、本人が気付いていないだけだ。全国の宏美ファンのためにも、今期は頑張ってほしい。
そうそう、今日の指導対局の結果は? それはふたりだけの秘密である。
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