一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

神田真由美女流初段と伊藤明日香女流1級の引退

2009-04-03 00:43:56 | 将棋雑考
去る3月31日付で、神田真由美女流初段と伊藤明日香女流1級が引退された。これは自主的なものではなく、女流棋士総則による引退だという。
一昨年に女流棋士会、日本女子プロ将棋協会(LPSA)とふたつの団体に分かれてからも、この総則が生きているのは知っていたが、引退規定は相当ゆるやかだったと記憶する。つまり今回の両棋士は、相当不本意な成績を毎年とっていたわけで、勝負の世界に生きている以上、この措置は仕方がないともいえる。
実は私は学生のとき、神田女流初段のご尊父に1回だけ将棋を教えていただいたことがある。ご自宅の将棋教室だったが、私がアマ三段だと告げると、ご尊父はおもむろに飛車を落とされた。ご尊父がアマ何段だか知らないが、飛車落ちといえば4階級差である。おいおいそれはないだろうと、私はカッとなった。私も若かったのだ。ところがその将棋は私の完敗に終わり、私は先ほどにも増していらだったのだった。
局後ご尊父が「君の得意戦法はなんだ」と訊いてきたが、こちらもカッカきてるから、「ありません!」と不貞腐れつつ答えると、「それはいかんな! そう訊かれたら、ちゃんと答えられるようにしとかんと」と、強く言われたことを覚えている。
そんなご尊父に育てられた真由美女流初段だから、将棋も強いはずなのだ。私もLPSAの金曜サロンで2局ほどご指導いただいたが、1局目の角落ちはともかく、2局目の平手の将棋は、終盤まで完全な私の負け将棋だった。
将棋の手は読めるのに、実戦になるとその力を出しきれない。神田女流初段と伊藤女流1級は、そんなタイプだったのかと思う。
ともあれいまは、お二方とも長い現役生活をお疲れさまでした、と言うしかない。これからはレッスンプロとして、将棋の普及に全力を挙げて、頑張ってください。
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