一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

マイナビ女子オープン延期に思うこと

2009-04-15 00:31:13 | 将棋雑考
14日夜、マイナビ女子オープン共催各社から、17日(金)に倉敷市で行われる第1局は延期、倉敷対局は中止と発表された。挑戦者・岩根忍女流二段の5月出産予定が、4月21日ごろに早まったから、らしい。
結果論だが、私に言わせれば「言わんこっちゃない」という感じであった。
私は縁あって、中村真梨花女流二段と岩根忍女流初段(当時)の挑戦者決定戦を間近で拝見する機会に恵まれた。そのときの印象では、仮に岩根初段が挑戦者になったら、4月17日の開幕局の対局はむずかしいのではないか、というものだった。あまりにもお腹が大きくなっていて、辛そうなのが傍目にも分かったからである。実際私は後日、この懸念を、某男性棋士に吐露している。
私は男なので妊娠の経験はないが、出産予定日なんてあってないようなもので、2、3週間の早産は珍しくないのではないか。それなのに第1局の日程をズラさなかったのは、第1局が倉敷市での開催だったからだと思う。
対局者が身重でも、記念すべき開幕局は地方でのイベントとして大々的に盛り上げたい、というのが関係各社の共通認識だったのではないか。
その一方で「両対局者に万全の態勢で将棋を指してほしい」ともいうのなら、やはり対局そのものを早くから延期決定すべきだったと思う。
告知の時期を逸するといろいろな弊害や損害が出てくる。倉敷対局が中止となった現在、もう刷り上っているであろう大量のパンフレットやポスターはどうなるのだろう。当然廃棄だ。
またツアー観戦の問題がある。まあこれは、キャンセルになっても申込者に全額が戻ってくるからいいが、フリーで倉敷行きを決めていた一般将棋ファンの扱いはどうなるのだろう。新幹線のチケットは? 「旅割」で取った飛行機は? 宿の予約は? これらのキャンセル料は各自自腹であろう。
書き遅れたが、岩根女流二段に非はまったくない。これからゆっくり養生して無事に赤ちゃんを出産し、対局に復帰すればいいだけの話である。この責任は、先の展開を読み誤った各社にある。
倉敷市のショックもいかばかりか。しかし私は、倉敷市には同情しない。
担当部署は違うかもしれないが、倉敷市には、昨年2月11日の倉敷藤花戦第1局で、日本女子プロ協会を排斥した前科があるからだ。あのときのファンの怨念が、こんな形で噴出した、と言ったら穿ちすぎだろうか。
いまはただ、6月に開催されるマイナビ五番勝負に、両対局者が全力を出して戦ってくれることを祈るだけである。
コメント
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