日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

小川洋子著「猫を抱いて象と泳ぐ」

2020-08-21 | 読書
昨日読み終えた一冊
小川洋子著「猫を抱いて象と泳ぐ」
文藝春秋 作品情報
シンプルなカバーデザインと、意味のとれない表題

小川洋子作品は「博士の愛した数式」ほかの4冊目
全てが深くて静かな作品になっていた。

「猫を抱いて象と泳ぐ」はチェスのお話だった。
チェスのことは将棋と同じく全く知らない
折しも、藤井聡太さんが18歳にして二冠を成し遂げ
話題と喝采と称賛と驚きを振りまいている。

ここ作品の主人公はリトル.アヒョーン
唇に異形を持ち、子供の様な小柄なチェスの天才
何日かに渡って読み進めるうちに
幸せな気分になって来た。

個性的な体とどこまでも優しい精神性
しかし(だから?)幸運が付き纏い
チェスの師に出会い、小柄な体に合った仕事に出会い
周囲は優しい人ばかり

悪意を持った人にはその身を隠し
運命の茄子がままに生き
周りの人たちに愛される。

チェスの知識がなった句無くても十二分に楽しめる一冊です。

「猫」はチェスの師を最後まで見守り
「象」はデパートの屋上で想像力を含まらせ
最後まで頭から離れなかった。



小さいけれど、目立たいけれど咲く花

ご一読を
心静かになるおすすめの一冊です。


追記
巻末の解説は俳優の山崎努さん
一風変わった解説になっている。
俳優の目で読み、表現する視点で書かれていて(多分)
なるほど、と思わせる解説だった。
コメント
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