沢木耕太郎著「天路の旅人」(上)(下)新潮文庫刊
https://www.shinchosha.co.jp/book/123538/
滅多に行かない本屋さんで間違えて買ってしまった。
読もうとして開くと下巻一冊
どおりで、レジの人が一瞬見つめてからカバーを掛けていたっけ
しかし、とりあえず読む本がない
少し読んでみようか?
「ラサに入った西川は、、、」
訳もわからずに読み進むが、
西川が誰か?どうしてラサか?
訳が分からずとも止める気になれず、
とっとと読んでしまう。
ラマ僧に扮して、チベットから延々と歩き続けてきたようだ。
密偵として来たものの、戦争が終わったようだし
先行きがわからないまま、行きたいところに行く。
お金がなくても、泊まるところがなくても
衣類にくるまって寝るところさえあれば、先に進める。
最後は密偵の役割よりも、冒険心と尽きない未開の地への憧れ
丈夫な身体と、咄嗟の機転、不透明な地への興味で
エベレスト周辺を行き来する。
最後はあっけなくインドで拘束されて日本へ送還される。
下巻を読んでから、上巻へ取り掛かるが
ハラハラしっぱなしのチベット以南に比べて
密偵の役割を担っていた頃の方が安全だったみたい、、
実在の人物西川一三と作者の沢木耕太郎
長いインタビューをして何年も経ってからの出版
一冊の本をまとめる事は西川の旅と同様に大変な事なのだ
思い知らされた上下巻でした。
おすすめの二冊です。