暑いさなか、エアコンを利かせて読んだ本
熊谷達也著「箕作り弥平商伝記」

「箕」とは茶色く光ったちり取のような形で
穀物を入れてパタパタあおり、皮と実を選り分ける道具、くらいしか知識はないが
この本で道具ながらも美しく、作り手に依って形が異なることが分かった。
関東育ちの私の頭にあるのはこの本の白い「箕」とは違ったようだ。
秋田の山村で育った弥平丈夫な身体と、闘争心と前向きな姿勢の愛すべき人物
難産のため(?)左右の足の長さが違い、ヒョコヒョコと歩くが
本人は至って気にしないし、はやされると二度とからかわないほどにやっつける。
農作業には欠かせない「箕」作りに掛けてはたいそうな腕を持ち
自作は自分で売り歩くが、こちらも富山の薬売りのアドバイスし従って
メキメキ商才を付けてゆく。
帯の「我が箕は、なして売れん。」は物語のほんの一場面。
制作も商いも順風満帆だが
駆け落ち同然で嫁いだ姉が、突然分けも分からずに出戻り
密かに理由を探るために「販路拡大」の名目で東北から足を伸ばし関東まで出向く。
東北では「箕」作りはそれなりの地位と尊敬を得ていたが
関東ではまともな口をきいて貰えず誰もまともに相手はしてくれない。
「箕」作りに関わっていそうな少女を見つけるが、
石を投げつけられるしまつ。
再度出直し、関東の「箕」作りと「」差別を知ることになる。
すったもんだのあげく、闘争に巻き込まれ、少女との両思いを確認したが
関東の「箕」作り一家は行方をくらます。
作者は「箕」作りの商い以上に、いわれもなき差別を糾弾する。
東京近辺に住んでいると「被差別」と聞いてもピンとこないし
なぜ故の差別なのか?理由が分からない。
昔々からの差別で身にしみて差別意識を持ってしまった人々
知らなければなんて言うこともない「無関心」はいけないのだろうか?
何かと他人をおとしめて、自分を優位に保つ人々。
「クジラを獲って食べる日本人は野蛮人」と同じ系列の考え方。
物語の中で作者は訴えている。
解説で「続編が読みたい」私も同感です。
熊谷達也著「箕作り弥平商伝記」

「箕」とは茶色く光ったちり取のような形で
穀物を入れてパタパタあおり、皮と実を選り分ける道具、くらいしか知識はないが
この本で道具ながらも美しく、作り手に依って形が異なることが分かった。
関東育ちの私の頭にあるのはこの本の白い「箕」とは違ったようだ。
秋田の山村で育った弥平丈夫な身体と、闘争心と前向きな姿勢の愛すべき人物
難産のため(?)左右の足の長さが違い、ヒョコヒョコと歩くが
本人は至って気にしないし、はやされると二度とからかわないほどにやっつける。
農作業には欠かせない「箕」作りに掛けてはたいそうな腕を持ち
自作は自分で売り歩くが、こちらも富山の薬売りのアドバイスし従って
メキメキ商才を付けてゆく。
帯の「我が箕は、なして売れん。」は物語のほんの一場面。
制作も商いも順風満帆だが
駆け落ち同然で嫁いだ姉が、突然分けも分からずに出戻り
密かに理由を探るために「販路拡大」の名目で東北から足を伸ばし関東まで出向く。
東北では「箕」作りはそれなりの地位と尊敬を得ていたが
関東ではまともな口をきいて貰えず誰もまともに相手はしてくれない。
「箕」作りに関わっていそうな少女を見つけるが、
石を投げつけられるしまつ。
再度出直し、関東の「箕」作りと「」差別を知ることになる。
すったもんだのあげく、闘争に巻き込まれ、少女との両思いを確認したが
関東の「箕」作り一家は行方をくらます。
作者は「箕」作りの商い以上に、いわれもなき差別を糾弾する。
東京近辺に住んでいると「被差別」と聞いてもピンとこないし
なぜ故の差別なのか?理由が分からない。
昔々からの差別で身にしみて差別意識を持ってしまった人々
知らなければなんて言うこともない「無関心」はいけないのだろうか?
何かと他人をおとしめて、自分を優位に保つ人々。
「クジラを獲って食べる日本人は野蛮人」と同じ系列の考え方。
物語の中で作者は訴えている。
解説で「続編が読みたい」私も同感です。