時のたつのは早い、余りに早い。そこで考える 

2014-01-27 13:53:19 | 日記

  時のたつのは早い、余りに早い。そこで考える 

 

「一日が短い」、「時のたつのが早い」。

高齢者が集まると、必ず出てくる話題は飲んでいる薬や病状である。同時に、そのあとに続くのが、1年が短いという話である。

今年も、はや、1月も最終の週となった。早いものである。

併せて、今年に入って、二人の知人が世を去っている。幸いという表現はいかがなものかとも思うが、享年80代と言えば受容されてよい年齢であろう。

次のような謎解きがあったのを思い出す。「人生とかけて、靴下と説く。その心は、長いものもあれば、短いものもある。そして『はかない』ものもある」。

平成24年度の日本人の平均寿命は、男79.94歳・女86.41歳と報じられている。この数字から言えば、二人の死が「受容されても良い」という受け止めには抵抗があるかもしれないが、それでも「寝たきり」の状態が無かったことはよかったと思う。

そこで、改めて「寝たきり」を考えてみたい。

2011年の調査によると、胃ろう患者は全国で26万人、平均で81歳。90%以上が寝たきりと言われている。また胃ろうだけではなく、点滴などのチューブを抜き取らないように、手袋をはめられ、それを紐でくくられている拘束患者が多い。いわゆる「医療虐待」である。

しかし、これとて簡単に「虐待」と言えるだろうか。

私の知人の母親もそうである。90歳である。入院が8年を超える。4人部屋の患者がすべて「寝たきり状態」と述べていた。入院費用は月8万円、それでもありがたいことであると常々述べている。

よく「死の質」ということが言われる。どのような死に方があるのかということである。

全国あちこちに「姥捨山」の語りがある。現に、それはあったことであろう。自分から求めて「お山」に入っていった。また、自分の死を悟り「餓死」の道を選んだことも語られている。

しかし、今や、先進医療も含め、以前であれば助からない命も長らえることができる。また先の話とは言え、再生細胞・医療が当たり前のこととなりつつある時代となっている。

介護保険制度の見直しも日程にのぼっている。要支援の介護は「保険制度」から外され、自治体や地域のボランティアに託される。要介護1・2の被介護者の施設入所は、原則的に不可能になる。あるいは本人の収入によって個人負担率が2割になるなどの改定が用意されている。

また、医療保険制度でも、上記の先進医療の併用を認める改定が検討されているものの、先進医療費そのものは、100%本人が負担である。100万単位の治療費が必要である。それを納められる者だけが、その併用制度の恩恵に浴すという事実は何ら変わらない。

2016年の1月も終わろうとしている今、あらためて「長寿の時代における高齢者の『死の質』は考え続けなければならない課題」であろう。

 

 


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