東京五輪の強行、延期、中止どちらもありとする軍師「菅首相」を描いてみた

2021-05-27 12:34:51 | 日記
 あらためて「講談の世界」に戻りたいと思う。
 織田信長、徳川家康の陣営と、武田勝頼陣営との因縁の決戦、いわゆる「長篠設楽原の合戦」がある。戦国時代に最強と恐れられていた武田の騎馬軍団に対抗するために、織田信長が「馬防柵」つくり馬の足を止めた。それだけではなく柵を前にして止まったところを鉄砲で狙い打ちにし、恐れていた「武田騎馬隊」を壊滅させた。
 機会があって、その戦いの現場に訪れたことがある。そこは湿地帯、そしてさほど広い面積ではない。そしてお互いが対峙した中央に小さな流れがあった。訪れた私の目には「観光用の馬防柵」が並んでいた。
 狭い決戦場で、武田陣営がとった騎馬隊を主力とした戦法が適切であったのか。武田勝頼はその狭い戦場で、なぜ「弓矢戦法」をとらなかったのだろうか。まず射程距離から考えてみる。資料によると当時の鉄砲(火縄銃)は二百メートルの射程であった。しかも至近距離でなければ命中率は低い。それに対し弓は四百メートル近くまで飛ぶ。とするなら弾が届かない距離から弓を射る、しかも「雨あられのごとく」。それでも「鉄砲・弾薬」に比べれば格安の武器である。それで十分に織田、徳川陣営を混乱させることができたはずであり、そこに武田騎馬隊の攻撃となる。歴史は変わっていたかもしれない。また、武田陣営には軍師はいなかったのだろうか。

 さて2021年。宇宙へ人類の足跡を残す時代となっている。そこで、445年前の織田、武田の戦いを、今日のコロナ禍における政局の行方と重ねて考えてみた。
 菅首相は、2か月を切った東京五輪の開催には経済の立ち直りも含め、おのれの政治力を示す機会ととらえてその開催を強行するかもしれない。むしろ、それが大と受け止める。
 しかし国内の感染拡大は治まってはいない。外国人の入国を制限するとしてもウイルスの持ち込みはゼロではない。そして混乱があることを承知の上での強行を、国民のワクチン接種のさらなる拡大へと結び付ける。その結果、犠牲を最小限にとどめることができた表明する。そしてオリンピック・パラリンピックの開催は景気浮揚と、今もって捨ててはいない「GOツートラベル」の再開に結び付けられる。

 一方、変異株も含めた国内の感染拡大は、国民の不安と動揺を募らせる。菅首相はその時点で、「国民の命と健康を守ることが政府の責任だ」として東京五輪の延期、あるいは中止を宣言するかもしれない。「平成のおじさん」に似せて「命と健康を守るおじさん」の顔となる。
 つまり、どちらの「手もあり」というのが「大将・菅」と、存在をしているだろう「軍師」の意図と考えたらどうだろか。

 そして、総選挙の実施に突き進む。
 その時、菅首相が用意をするのが「国民一人当たりへ10万円の再支給」としたら、これに対し、国民はどのような回答を示すだろうか。
 もしも、菅首相が意図することが総選挙の結果と結びついた場合、今、第二、第三の本命がいないと言われている自民党内である。仮に、いてもその存在は消えるだろう。

 歴史学者である磯田道史先生は、どのように分析をされるだろうか。
 現在を、歴史の中から読み解く必要のあることを痛感する昨今である。

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