高齢者の「外出難民」を防ぐために公共交通の充実を (その2)

2019-09-22 07:25:33 | 日記

  81歳の高齢者に1年6ケ月の実刑判決

    被害者も加害者もない車社会の現実

 昨年12月、さいたま市浦和区の市道で、同市緑区の県立蕨高1年生を車ではねて死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪に問われた加害者は81歳の高齢者である。そしてさいたま地裁による判決は「過失により尊い人命が失われた結果は重い」として、禁錮1年6ケ月(求刑・禁錮2年6ケ月)の実刑判決を言い渡した。判決は、被告が約6.5メートル手前で、被害者の存在を確認したがアクセルとブレーキを踏み間違えて、車を時速20キロ~25キロに急加速させて衝突したとして運転操作を誤った点を重視し「前方不十分だった」と指摘。「注意義務違反の程度が大きい」と述べ。81才に実刑1年6ケ月と、過去の判例を超える重い判決が下された。担当弁護士は、実刑判決について「画期的な判断だ」と評価。判決により高齢者の運転免許証の自主返納や、同居家族への注意を促すなど「危機感が増す」と意義を強調した。

 また、被害者の友人らは事故後、75歳以上に免許証更新を毎年課すことなどを求めるインターネット上の署名活動を始め、賛同者は同日までに2万人を超えた。

                                       (2016年12月17日・産経新聞)

  このニュースは3年前でもあり、忘れている方も多いと思うが現実的には類似の事故が頻繁に発生している。

 とは言え、今日の地域における高齢者の生活は、車に依存しなければ成り立ちにくい実情にあることも事実である。しかもその環境はますます拡大すると考えなければならない。さらに高齢化が進むことによる運転歴も延長する。よく目にすることであるが、買い物の来られた高齢者がそれこそ足を引きずり、片手に荷物、片手に杖をついて自動車に近づく姿である。そして乗車に手間取る姿を見る。やがてエンジンをかけて発進していく。いつも思うがその老人には車は欠かせないのだと思うと「心がくるしくなる」。今や車も「マニュアルからオートマへ」と変わり運転は楽になった。彼の高齢者もそれが運転を継続することになっているのだろう。そのことは「高齢者運転事故」の拡大を意味すると言っても過言ではない。

 では、車を持たない高齢者の「足」はどうなるのか。このことが、私たちが提起をした「市民の会」の立ち上げの発端であった。その時の発会ニュース№1号に紹介をした実例を報告する。

 青森市・70歳以上の市民に、路線バスが低料金で利用できる「乗車証」を交付。

               ワンコイン制度(1回乗車100円)

               フリーパス制度(1ケ月100円・6ケ月6.000円・1年12.000 で乗り降り自由の乗車が可能。

 盛岡市・70歳以上の市民に・6ケ月間有効の優待パス(本人負担5250円)でバス路線乗り放題。

 仙台市・70歳以上の市民に・路線バス・地下鉄乗車の「敬老乗車証」を交付。

              100円の負担で1000円分・1000円の負担で1年間12000円分の乗車が可能

 

  また、国土交通省は「高齢者移動手段の確保に関する検討委員会」を発足させ中間報告をまとめている。

                                (平成29年6月30日・国土交通省ホームページ)

 その内容(抜粋)を次に紹介する。

 1 高齢者の公共交通利用促進に対する地方公共団体の助成の働きかけ。乗合タクシーの促進。

   スクールバス、「介護・医療」などの機関が運行するバスとの連携、活用。

 3  営利を目的としない地域の「互助」活動による移動車両の活用。

 

 


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