あの「オスプレィどうなったのでしょうか」

2015-05-28 11:31:52 | 日記

あの「オスプレィどうなったのでしょうか」

 

  沖縄発・ネパール行きの「オスプレィ」はどうなったのだろうか。5月17日のブログにそのことを書いた。そして横須賀米軍基地への配備・17機、3000億円での購入・ハワイにおける墜落・そしてネパール救援のための沖縄からの発進。そのような中で自民党参議院国家安全保障特別委員会筆頭理事でもある佐藤正久氏は、オスプレィの有用性を、マスコミはもっともっと伝えるべきと自らのブログに書いている。前記のブログでもそのことに触れている。

  今般の国会における安保法制関連法の審議である。初日の本会議は、何故かNHKのテレビ中継はなかった。その理由をNHK広報局は「必ず中継するのは施政方針演説などの政府演説とそれに関する代表質問というのが原則」と説明。原則外のものはケース・バイ・ケースで対応していると述べ、27日の特別委員会は関心が高いので中継すると答えている。なんだかおかしい。官邸からの圧力があったのかとも疑う。特別委員会は「関心が高いので」とわざわざ述べるところに「眉唾物」を感じる。そして奇異に感じたのが議場内の光景である。ヤジと怒号。それは熱心の余りといえばそれもありとするにしても、「自民党席に目立つ空席、そして議場の外では携帯電話で話す議員、トイレからの帰りにスマートフォンをいじる議員、長椅子で同僚と談笑する議員。隣接する議員食堂では何人かの議員が支持者らとあいさつを交わしていた」(毎日新聞5月26日配信)

  この国会に、今後の国のあり方の決定を付託してよいのだろうかと感じたのは私だけであろうか。大島議長も耐えかねて「質疑者の発言が、国民の皆様にしっかり伝わるよう、静粛な議論を求めます」と議長席から言葉を発した。そのことからすると、もしかして議長はテレビ中継が行われていると判断したのであろうか。大島氏は自民党議員の中でも数少ない「侍」である。中継がされていなかったことを後で知って、抗議をしたと想像するがそのあたりは知りたいところである。

  さて前段に戻る。毎日新聞は「原発災害30キロ孤立2318集落」をトップ見出しとして、地震・土砂崩れなどの複合災害にあたり、ヘリコプターによる救援が行うことができるだろうかという調査の結果を報じた記事である。それによると「孤立の恐れのある2318集落、約20万人。その地域に救援ヘリが着陸できる集落は442であり、8割を超える1876は着陸のスペースさえないということが明らかになったと書いている。これは通常使われているヘリコプターの実態であることは勿論である。

  ましてや冬季などにおいては灯油の枯渇が現実のものとなるだろう。3.11の事実がある。南相馬市の多くは「屋内待機」の指示となった。しかし灯油が無い。市長は緊急要請。ようやくタンクローリーが近くまできてストップ。運転手が放射能の危険を理由に運転を拒否。災害とはそういうものである。

  佐藤正久議員は「ヒゲの隊長」としてサマワにおける任務を全うした軍事専門家の一人である。その発言の影響力は大きい。その議員が「もっともっと宣伝をすべき」と述べるオスプレィの有用性は、ネパールの例を取るまでもなく「無用の長物」であることを立証するというのが今回の1876地域の孤立である。

  インターネットは便利である。瞬時に情報を提供してくれる。「フリー百科辞典」でオスプレィを検索する。そこには「飛行距離3000㎞。輸送人員24〜32名、最大積載量9000㎏とある。貨物を載せず24人が乗りくんだ場合はヘリコプターのように垂直離着陸が可能であるが最大積載量を積んだ場合は垂直離着陸ができない。離着陸には約487メートル(1,600フィート)を必要とする」と解説している。何のことはない。オスプレィの購入価格3600億円の値打ちは3000㎞の飛行距離であり、そのことは彼の国の奥深くまも飛んでいけると言うことに尽きるということではないか。災害救助にも使えない。ましてや沖縄諸島の飛び地に飛行距離3000㎞の大型飛行機は必要が無い。思い出してほしい。東京を火の海にしたB29の発進地「テニアン」からの距離は3000キロである。

  現在開催中の「安保法制国会」である。野党の質問に対する安倍首相をはじめ閣僚の答弁の不誠実さもさることながら、その根っこには、オスプレィの事実を「歪曲し、隠す」いう事例にみられるものと同様な政治姿勢のあることを見抜く必要があるのではなかろうか。