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細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

神様のすること  平 安寿子

2010-02-27 23:45:22 | 読書メモ た行
《内容》
物語を書くことにしか情熱が持てない安寿子が、40歳間近で願ったことを、神様は100パーセント聞いてくれた。願いが叶うまでの、長い長い物語。
             (紹介文より)


☆☆☆☆☆
―――思い出は何かをなくしたあとで立ち上がるのだ。種から芽生える花のように。


―――多分、人間は重荷を背負うべきなのだ。でないと自分自身が重荷に変身してしまう。


―――冠婚葬祭に失敗はつきものだ、人は緊張を強いられると、ほころびを見せるようにできている。そして、恥ずかしい出来事ほど、一生ものの笑い話になる。
 滞りなくやりおおせてしまうと、思い出なんか残らない。愛すべきは、失敗なのだ。


―――年寄りの老いと死を看取るメリットは、他にもある。
歳をとるって、こういうことなんだ。死ぬって、こういうことなんだ。と、勉強できる。これは、大きい。

リテイク・シックスティーン  豊島ミホ 

2010-01-30 13:31:37 | 読書メモ た行
《内容》
高校に入学したばかりの沙織は、クラスメイトの孝子に「未来から来た」と告白される。未来の世界で27歳・無職の孝子だが、イケてなかった高校生活をやり直せば未来も変えられるはずだ、と。学祭、球技大会、海でのダブルデート…青春を積極的に楽しもうとする孝子に引きずられ、地味で堅実な沙織の日々も少しずつ変わっていく。
            (紹介文より)

☆☆☆☆☆
―――何故だか一粒涙がこぼれる。
でも大丈夫、こんな苦しさは奥歯を噛んで我慢していればすぐに過ぎる。


―――私は泣きたくなる。いつでも会えるのに、会って話しかければいいのに、とても遠い。


―――私たちは何を忘れて何を持っていくんだろう。

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ 辻村 深月

2009-11-08 14:43:17 | 読書メモ た行
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ  著者 辻村 深月

《内容》
“30歳”という岐路の年齢に立つ、かつて幼馴染だった二人の女性。都会でフリーライターとして活躍しながら幸せな結婚生活をも手に入れたみずほと、地元企業で契約社員として勤め、両親と暮らす未婚のOLチエミ。少しずつ隔たってきた互いの人生が、重なることはもうないと思っていた。あの“殺人事件”が起こるまでは…。辻村深月が29歳の“いま”だからこそ描く、感動の長編書き下ろし作品。
               (紹介文より)

☆☆☆☆☆
―――人間は、本当に気にしてることを他人に先に指摘されるとむきになる。


―――懐かしく思い出す。もう、あんな風に見知らぬ他人と飲み合う時期が過ぎたこと。そのときはなんとも思わなかったが、過ぎ去ったことは何でも最近、惜しく感じるようになった。戻りたいとは絶対に思わないが。

―――気持ちが張りつめて緊張しているとき、巡り会った少しの優しさ、柔らかさにこんなにもすぐ倒れ込んでみを委ねてしまいそうになる。

追跡 警視庁鉄道警察隊  高嶋 哲夫

2009-10-15 17:13:22 | 読書メモ た行
追跡 警視庁鉄道警察隊   著者 高嶋 哲夫

《内容》
東京都内を運行する列車内で、スリと切り裂き事件が相次いで発生した。『多国籍スリ集団』と呼ばれる犯人たちは、お年寄りや女性を狙い、乗客を集団で取り囲み、連携して犯行に及ぶ。一方、『切り裂き魔』と呼ばれる犯人は、女性のバッグを狙い、ゲリラ的に切りつける犯行を繰り返していた。警視庁鉄道警察隊新宿分駐所の小笠原たちは、犯人グループを追い、警乗に追われていた。日々拡大する被害のなか、小笠原たちの執念の捜査で辿りついた犯人像…それは、男性ではなく女性だったのだ―。著者渾身の書き下ろし新警察小説。
             (紹介文より)

☆☆☆☆
はらはらドキドキして一気に読んでしまいました。

風をつかまえて 高嶋 哲夫

2009-06-24 23:46:32 | 読書メモ た行
風をつかまえて   著者 高嶋 哲夫

《内容》
北海道の破綻寸前の小さな町。起死回生の町おこしとして、町の小さな鉄工所が「風車」を造ることになった。地域と家族の再生をかけた父と子の姿を描く、感動の書き下ろし青春小説。
          (紹介文より)


―――どんなに忘れようがないと思っていたことでも、時とともに記憶は薄れていくのだ。そうしなければ人はいきられないし、それが人が生きていくということなのだろう


たまさか人形堂物語 津原 泰水

2009-06-24 23:45:33 | 読書メモ た行
たまさか人形堂物語   著者 津原 泰水

《内容》
祖母の形見の零細人形店を継ぐことになったOL澪。押しかけアルバイトの人形マニア、冨永くんと謎の職人、師村さんに助けられ、お店はそこそこの賑わいを見せていた。「諦めてしまっている人形も修理します」という広告に惹かれ、今日も傷ついた人形を抱えたお客がやってきて澪たちは東奔西走することに。チームワーク抜群の3人の活躍が始まる。
           (紹介文より)


―――「なんとはなし、淋しくなるもんですね」と私たちの気分を代弁した。
私たちの静かな日常が戻ってきた。静かと感じてしまう人間の不思議。麗美は一言も発しはしなかった。騒がしかったのは私たちの頭の中だ。

御留山騒乱  出久根 達郎

2009-06-23 23:18:53 | 読書メモ た行
御留山騒乱     著者 出久根 達郎

《内容》
信州の旅の途上、若僧の秀全は、賭場のいかさまを見破ったとばっちりで行商人・平助とともに補縛されるが、賭場の親分の養女で山女のまつに助けられた。平助は自分が、将軍家献上品にまつわる不正探索方であると明かし、仲間の嵐を探していると語った。嵐に惚れていたまつも同行を決意。山中を行くうちに遭遇したのは、ご禁制の山茗荷の噂、逃散百姓衆の意味ありげな動き、山に眠る謎のお宝の存在など。さらに入山禁止の御留山には、藩の密命を帯びた役人が守る、別の献上品も存在するらしいのだが…。
               (紹介文より)


―――何もないのに笑うのは骨が折れる。まして、人の笑いを自然に誘うのは容易ではない「笑えばしあわせ。衆生にそういう気持ちにさせなくてはいけない。どうすればよいか。よく考えてやりなさい」



ふまじめ介護  田辺鶴瑛

2009-06-23 21:05:42 | 読書メモ た行
ふまじめ介護    著者 田辺鶴瑛

《内容》
第1章 介護は現在も進行中 じいちゃんが家に戻ってきた!;第2章 介護は「ふまじめ」くらいがちょうどいい;第3章 最初の介護は18歳のとき ひとりぼっちだった実母の介護;第4章 二度目の介護は31歳のとき 頑張りすぎた義母の介護;第5章 「苦」を「楽」に変える介護のコツ;第6章 介護は、人生において最高の学び場
          (紹介文より)


テレビで拝見したので読んでみました。
頑張らねば・・・と、思いました。

初恋素描帖

2009-04-28 17:00:49 | 読書メモ た行
初恋素描帖    著者 豊島 ミホ

《内容》
甘酸っぱい。ほろ苦い。だけじゃない―あなたの“あの頃”をうずかせる不慣れな恋の物語。“思春期まっさかり”の中学2年生×20人のままならぬ想いを描く連作掌編、全20話。
          (紹介文より)


“あの頃”に戻ってきました。
“本”の中に入り込んでしまったような気がしたのですが、鏡を見たら皺だらけ・・・

さよならの扉

2009-04-25 13:01:33 | 読書メモ た行
さよならの扉   著者 平 安寿子

《内容》
彼は逝ってしまったけれどわたしとあなたは、ここにいる。社会経験まるでなしの本妻(48歳)と、デキる独身OLにして夫の愛人(45歳)が、夫の死をきっかけに対面。そんな女ふたりが織りなす奇妙な交流を、一滴の涙を添えてユーモラスに描く。
           (紹介文より)


―――本人がいかに悟って逝ったとしても、残された者には思いが残る。あの優しさにもう甘えることができないと思うと、その理不尽に涙が溢れた。


―――フワフワとよるべない。自由だが重みがない。人生の密度が下がった。不思議な気分だ。楽しいのか寂しいのか、わからない。